「マンガの画材〈アイシースクリーン〉展 –マンガ表現の相棒として50年−」
望都さまの原画展の前日に、米澤嘉博記念図書館で開催されている「マンガの画材〈アイシースクリーン〉展 –マンガ表現の相棒として50年−」に行ってきた。6月17日(金)から10月3日(月)と期間が長いので、どこかのチャンスで行けるかと思っていた。「きっと、空いてる」と狙ったのだが、前半貸切だったので、ゆっくりと2周して、写真も撮らせていただいた。
スクリーントーン(略称トーン)はレトラセットの商品名だが、セロテープやホッチキスのように一般名詞のように使ってしまっているが、レトラセットしかなかった頃はとても高価だった。たしか1枚600円〜700円したよね。その前は、投稿原稿とかは「青色指定」といって、アミカケするところは(印刷に出ない)青鉛筆で指定するよう書いてあった……と覚えているんだけど、そんな話は化石だ。レトラセットは高価なので、そんなに多用できず、手描きの点描やナワナワ・四カケ・八カケ、スパッタリングのグラデーション、ガーゼでタンポンつくってトントンするとかやっていた。
そのあとでてきたICスクリーン、デリータースクリーン、マクソンスクリーン等マンガに特化したスクリーントーンたち。種類も増えて、値段も安くなった。「便利になったなぁ」とシミジミ思ったものだ。基本は、アミトーンや砂トーン、バスケット柄を使っていたが、服の柄や背景に使えるようなデザインのもどんどん増えてきて、それはそんなに一度に大量につかうものではないので、いろいろ今も持っている。
今回の展示の目玉に、スクリーントーンの原画があった。……そうか、考えてみれば、アミトーンとかと違って、模様トーンはもとからあるもんじゃないし、原画があるのね。今回は、エアブラシで絵がかれば、重ね円の原画と、トーンでトーンの花模様を描いたものが展示されていた。そこからつくったフィルムもあり、これを製品化するとこうなるのか。
今は、デジタル描画のマンガ家がほとんどで需要が少なくなっていると思うが、トーンが日本のマンガに与えた描画表現のひろがりは大きい。変化が激しいマンガ画材の中で、〈アイシースクリーン〉の50年の進化も観ることができて、とてもいい企画だった。
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