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2021年8月27日 (金)

北海道 三原順とアイヌの旅(その2) 白老とウポポイ

 7月29日(木)17時過ぎの新千歳空港に到着した。JRの「ウポポイフリーパス」の引換手続きをして、白老(しらおい)に向かう。JRは南千歳で乗り換え、さらに苫小牧で乗り換える。白老に着くのは19時過ぎになるので、苫小牧で30分の乗継の間に、駅構内の店でホッキカレーといただく。フリーパスだと、改札の出入りが自由なので便利だ。
 空港に着いたとき、全体がかすんでいて薄暗かった。関西ならこの時期19時頃まで明るいのに、と思ったけれど、白老に行くまでどんどん靄か霞か霧が増えて、黄昏の国になっていた。そしてすごい湿気で、めがねが曇る。こういう気候なのか。そして、全然涼しくない! 白老に着いて、ほとんど人気のない道を、今夜の寝床のhaku hostel+cafe barまで約5分くらい歩く。旧い民家をリノベーションした新しいゲストハウスで、とってもオシャレ。正直ウポポイ周辺は、ここと、もうひとつのすごく高いホテルの2つしか宿がない。ここはあまり泊まる場所ではないんだろうな。チェックインは基本22時までで、夜間はスタッフが不在になる。男女別のドミトリーとツインやダブルの個室が数室あり、数人が泊まっていたが、4人部屋のドミトリーは結局誰も来なかったので、貸切だった。夜は到着後、カフェでケーキとハンドドリップの珈琲で休憩、朝食もここでとった。

 

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 7月30日(金)は、朝から霧でかすむ黄昏の国で、午後からは少し薄れてきたが、青空は見えなかった。チェックアウト後、白老駅のコインロッカーに荷物を入れて、9時30分からほぼ閉館時間(20時)まで、ウポポイにいた。ウポポイ(民族共生象徴空間)では、いろいろな場所で公演プログラムや体験や解説を行っていて、計画的に回っても1日では全部のプログラムは無理。国立アイヌ民族学博物館は、ここの目玉なので、人が減るだろうと思われる16時で事前申込をした。
 ざっと巡ったところをあげてみると、
●木彫体験 1時間でスマホスタンドに線彫りで模様をいれる。マンツーマンかとおもったら、ギリギリで親子2名参加。別料金。
●「カムイアイズ」 鳥の視点・動物の視点の個別席型のドーム型スクリーン映像。朝に通りかかったときは、「機器不調で再開未定」と言っていたけれど、午後遅くには復調したようだ。
●体験交流ホールで、短編アニメ映画と伝統芸能の上演の2プログラム。各30分。
300人は入りそうな大きなりっぱなホールだった。
●「コタンの樹木案内」樹木担当の職員さんが、園内の樹木について30分で説明してくれる。日に3回ぐらい実施されるが、参加した回はマンツーマン。当番の職員や、その日の面子、季節などによってポイントが違うらしい。
●チセの中で、子守歌やムックリの上演と解説のプログラムとアイヌ語の口承文芸プログラムが時間をずらして日に数回ある。各約15分。
●プロジェクションマッピング「カムイ シンフォニア」体験交流ホールの外壁に映写。19時30分から、約15分。ベンチに座ってみていると、ムシにたくさん刺された。
●国立アイヌ民族学博物館 常設展示室は大阪の民博の特別展示室ぐらいの大きさで、正直そんなに大きくない。衣食住等のテーマ別(地域別ではない)で、アイヌ民族全般の文化の展示をしている。それよりちょっと小ぶりの特別展示室があり、追加料金300円が必要で、7月3日から8月22日まで「ゴールデンカムイ トゥラノ アプカシアン −杉元佐一とアシリパが旅する世界−」(※プとシは小文字)と題して、マンガのシーンにでてくるホンモノを展示していた。特別展は北海道博物館他いろいろな施設から資料を集めていた。常設展示も特別展も図録がなかったのが残念。

 

 そして、人混みの心配は杞憂だった。とても空いている。夏休みなので、親子連れが比較的多いとは感じたが。待ちや行列は無縁で、スタッフの人数の方が多いのではないかと思うくらい。どこまでが職員でボランティアなのかよくわからないが、人件費がバカにならないだろうと、今後の経営をちょっと心配した。

 

 

エントランス
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国立アイヌ民族博物館
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チセ
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木彫体験
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夕方の遠景
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プロジェクションマッピング
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 ウポポイについては、まだオープンする前に民博でオープン予告チラシをみつけた。その頃は在職中で「北海道なんて行けないよ」と思っていたので、ふ〜んというかんじだった。いざ、開館となった時はコロナ禍で2020年4月開館予定を5月、7月と2回延期して開館したが、2021年も臨時休館し、6月に再開したが、まだまだコロナ禍はおさまらず、体験等にもいろいろな制約がある。
 行くまでに、いいもわるいもいろいろな評価を聞いた。本当のアイヌはこんなことしていないとか、シサム(大和人)のための施設だとか。「ウポポイではアイヌ語も公用語としている」というコンセプトは、仮想空間のような扱いで、実際生活しているアイヌにはちょっとムっとくるところもあるかなぁとも思う。まあ、そういうのも飲み込んで、これは国の施設だし、これで全国の人の興味がアイヌに向き、北海道の経済が潤えばこれはこれでいいような気がする。ただ、人に頼りすぎている気がするので、世代交代が進むと人材が確保できるのか、金銭的に経営がなりたつのかが心配だ。
 西日本の住人にとっては、アイヌ文化は琉球文化より遠い。(個人の感想です) アイヌ文化とひとくくりに言っても、一様ではなく、各地域・集落でちがうというし、北海道の自治体にある博物館には必ずと言っていいほど、その地の文化としてアイヌの説明がある。(行ったわけでなく、豆知識だが) 地域の博物館にももっとお金を!……いや、光を!

 

 ところで、昼食はだいぶリッチに「焚火ダイニングカフェ ハルランナ」で鹿肉のロースト(写真は2人分)、夜は手早くフードコートで行者にんにくそばと鹿肉串をいただいた。

 

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 ウポポイのHPはこちら  そして、20時35分発の特急北斗で札幌に向かうはずだったが、特急は鹿にぶつかって20分遅れていた。北海道らしいなぁ。

 

 

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