「アドルフ・ヴェルフリ 二萬五千頁の王国」
兵庫県立美術館にて1月11日〜2月26日まで開催されていた「アドルフ・ヴェルフリ 二萬五千頁の王国に行ってきた。
このド派手な縦開きのチラシを見た時、以前東京で観たヘンリー・ダーガーを思い出した。どちらもアール・ブリュットの作家であり、ダーガーは非現実の王国の長大なストーリーを描き、ヴェルフリは『揺りかごから墓場まで』『地理と代数の書』等の二萬五千頁の作品を描いた。作風は異なるが、どちらも空白を恐怖するように画面が絵や字で埋め尽くされている。
ヴェルフリは1895年に精神病院に入って、そのまま1930年に66歳で亡くなるまで退院することはなかった。作品の置かれている写真も図録に載っているが、その間ひたすら描き続けられたその量たるや凄まじい。初期は鉛筆のみのモノクロで、途中で色彩も入る。記号的な絵と、膨大な文字と、楽譜とコラージュとが組み合わされ、その無言の迫力に圧倒される。誰にも真似のできないこれらの作品を生みだすために、天は病いを与えたのかと思うと、ちょっとやりきれない。
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