パラソフィアその2 京都市美術館有料エリアとタデウシュ・カントル生誕100周年記念事業
「京都国際現代芸術祭2015」(パラソフィア)も2ヶ月ぐらいやってるわ〜と思っていたら、5月10日までだから、あと10日ぐらいしか残っていない。この間に2回行ってきた。
まず、4月12日(日)にメイン会場の京都市美術館(市美)に行ってきた。ふだんは、1階2階の展示室で複数の展示を行っていることが多い市美だが、今回はすべての会場を使って、さらに地下フロアーや内部にはりだしたバルコニーなどふだん閉鎖している場所も開放して、建物全体がパラソフィアになっている。建物も展示の一部のようだ。一つ一つの作品はデカいので、まわるのに時間はかからないが、意外と映像作品が多くて、短いものもあれば6時間!というような長丁場の映像もある。映像作品は全部は見きれないので、好みでChoiceかな。写真や粘土や空間展示やジャンルにこだわらない、常識を一掃させてくれるような展示だった。ただ、順路を間違えて1区画見られなかった気がする。それと庭のスーザン・フィリップスのインスタレーションは調整中だったのが残念。
そのあと、パラカフェでちょっと休憩して、17時から、やなぎみわさんのステージトレーラーでイベントがあるので、それに参加するつもりだった。トレーラーの前で20人ほどいたので、いっしょに待っていたら、17時ごろスタッフが1列目に関係者席をつくりに来たが、1時間を過ぎてもはじまらない。15分ほどたって、「今パラソフィア・ルームでシンポジウムをしていて、ここでのイベントは18時30分ごろからです」と伝えに来た。ムム?ガイドブックにも、チケット売り場横の案内にもそんなことは書いていなかったが? でも、その日は急に冷え込んだ日だったので、みんな一斉にルームに移動する。
当日のイベントについて、あまり予習はできていなかったのだが、レジュメによると、タデウシュ・カントルというのは、ポーランドの演出家であり芸術家で、今回のイベントは正式には「タデウシュ・カントル生誕100周年記念レクチャー&シンポジウム(第6回タデウシュ・カントル研究会)」と称して、京都市立芸術大学主催、ポーランド広報文化センター共催で、パラソフィアは後援のかたちになっている。いつもはオフでしていた定例会を、今回はオープンにしたというかんじかしら? 15時からポーランドの演劇評論家のマウゴジャータ・ジェヴェルスカさんのレクチャーがあって、17時からジェヴェレスカさんややなぎみわさんも含めたシンポジウムと演劇映画の「死の教室」(約70分)の上映会というプログラムになっていた。シンポジウムはパネリストがひとり1回しゃべれば時間切れになってしまうかんじだったが、ポーランド語の同時通訳というのは初めてみたわ。
その後、場所を移して、ステージトレーラーに大きなスクリーンを出して、演劇映画「死の教室」の上映があった。椅子は40席ほどで、ルームから移動すると人があふれていたので、半分以上が立ち見だった。春の寒気がぶり返した日で、環境としてはあまりいいとは言えないが、世界の田舎での行商映画のようで、それが野外上映の醍醐味ともいえるし、まあこんな感じ?でいいけど。「死の教室」も実はカラー映画なのだけれど、わざと色を抑えたモノクロのように、哀愁を帯びた音楽を背景に、表情のない汚れたマネキンをつれたお年寄り達が、不明な言葉を繰り返す、モロ好みの映画だった。やなぎさん曰く「おどろくべき映画(演劇?だったか)です」、たしかに。でも、万人にはお勧めしません。
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