維新派「透視図」
ほぼ毎年、どこかで野外演劇を行う維新派だが、今年は10年ぶりの大阪だ。維新派を追いかけて、岡山の犬島や琵琶湖や開発前の汐留に行ってきた。維新派はなんとなく水に縁がある。昨年、中之島GATEへラバーダックに会いに行ったとき、そのちょっと不便な工場街の端っこの場所が、「維新派に似合いそうなところだ」と思った。安治川が大阪湾に流れ込むところ。大阪の公演をあそこですると聞いたとき、「ああ、やっぱり」と納得した。
行ってみると、舗装されていない広っぱにスタッフのねぐらであろうキャンプテントがある。簡易トイレがある。たき火を囲んで屋台村ができている。演劇がはじまるまでに音楽のステージやマジックショーや綱渡りをやっている。きれいな夕焼け、黄昏時を過ぎると、空には上弦の月が浮かぶ。いいなあ、この雰囲気。もちろん、演劇も楽しみなんだけど。
維新派の今回の舞台は、島のような碁盤目に区切られている。その隙間を役者が走る、歩く。水が……流れ込む。背景には、大阪のビルや道路の夜景。言葉のリズムに酔うひととき。銀マットを敷いただけの木の座席は腰にくるけれど、その日はシンシンと寒くなったけれど、日によってはカッパを着ての観劇だけど、それも維新派らしい。
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