演劇「イキシマ」と、松本雄吉+やなぎみわのアフタートーク
維新派の松本雄吉さんが初めて外部作品の演出をするというので、その演劇「イキシマ」を観にいった。これは、第1回精華小劇場製作作品であり、脚本が「マレビトの会」の松田正隆さん、役者さんはこの作品のために集めたようなので、すでにできあがった色のある既成の劇団というのはなく、これしかないという作品を創りあげていこうという試みのようだ。
とある島、隣の部屋に瀕死の男が横たわっている。彼を「息」と呼ぶことにする。息=イキ=生き=(
もしかしたら壱岐?) そこに息の妻、物語のナレーションの男、2人の海女、島の男と島に帰ってきた男、船大工の男、2人の天使、密航してきた兄妹と多重構造のエピソードが重なる。静謐な、観ようによっては幾重にも深読みができる、パズルのような話だった。淡々と進んでいく。そして、舞台は色を抑えた不思議な空間だった。劇場に入ったときの第1印象は「垂直の交差がどこにもない舞台だ」と感じた。そのいろいろな角度でかさなるラインから、光が届く。役者が登場する。みんな年が同じようにみえるか、年齢不詳の生活臭のない人たち。
他と比べられない作品で良かったけれど、昼間の仕事の疲れで、ついウトッとしてしまった。申し訳ない。
このチケットは、1ヶ月を切って、コンビニから電子ぴあでとったのにかかわらず、やや端っこだけどいちばん前のA列! いいのか!? そんなに売れていないのか!?……と、思ったけれど、当日はまずまず満席で、追加公演決定の情報もあったので、大丈夫だったのかな。
おまけに、この日は思わぬサプライズがついた! 演劇終了後、松本雄吉さんとやなぎみわさんのアフタートークがあったのだ!! ぜんぜん知らずにこの日のチケットにしたのだが、この二人の組み合わせは私にとってはとっても贅沢なセッティングだ。維新派の演劇にいっても、ナマの松本さんはカーテンコールには登場しなかったし、同じく作品集や新聞で拝見してもナマのやなぎみわさんをみるのははじめてだった。進行は雑誌「art it」の某さん。(すみません、名前忘れた) この雑誌はやなぎさんの特集を組んでいる号があり、展覧会に行ったとき買っていたので、「あ、その関係か」と納得した。主に舞台美術の話が多かったが、松本さんが思ったよりなんか気のいい関西のおじさんに見えた。やなぎさんが維新派をはじめてみた演目が私といっしょだったので、その偶然におどろいた。もっと寡黙な人かと勝手に思っていたが、ちょっと内容は難しい部分もあるがお話のお上手な人だった。
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