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映画・テレビ

2019年8月29日 (木)

映画『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』にまつわる3ネタ

『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』Ex Libris -The New York Public Library 3時間35分 英語 2017
 この春公開されたドキュメンタリー映画『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』は、オモテ稼業の私の周囲ではけっこう話題になっていた。それに関連して、2件のプレイベントに参加して、その後映画を観てきた。
 まず、6月16日(日)大阪市立中央図書館「大阪市立図書館×映画『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』トークイベント」が開催された。300人の会場が満員! 図書館ネタのイベントでこんなに人がきたのは初めてじゃないだろうか!?と、驚いた。前半は、映画のダイジェスト版に続いて、ニューヨーク在住で、『未来をつくる図書館』を執筆した菅谷明子さんへのスカイプによるインタビュー。後半は元瀬戸内市民図書館館長の嶋田さんと大阪市立中央図書館職員で認定司書の澤谷さんの対談。場所も登壇者も図書館に重きを置いたイベントだった。
 次いで、6月29日(土)に誠光社で開催された『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』公開記念トークに行ってきた。京都造形芸術大学の映画学科の教授、北小路隆志さん。映画の手法やワイズマンの作品についてのお話だった。この映画は人によって様々な見方ができそうな映画みたい。誠光社には先行して映画パンフも置いていたので、先に買って予習もした。
 さて、この映画『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』は、6月21日からテアトル梅田、29日から京都シネマ、7月6日から神戸元町映画館と順次公開されたのだが、ギリギリまで開始時刻が不明だったり、公開前に上映期間が未定だったりした。単館映画館だと、1週間しか上映しない場合もあるし、205分の長尺映画なんで、行ける日がかなり限られる。ドキュメンタリーだし、解説めいたナレーションもないようなので、疲れていると寝てしまうかもしれないのできれば仕事帰りには行きたくない。前評判もよく、先発した東京に続いて、大阪でも大入り満員で、立ち見だった人もいたと聞いた。3時間も立ち見したくない。……といろいろ考えて、土日を避けて、7月8日(月)の京都シネマの昼間の回に行った。ここはインターネットの予約はなくて、当日整理券で入るので、2時間前に映画館に行ってチケットを確保した。それでも14番目だったが、十分座れる。上映時間まで、カフェでちょっと休憩。
 実はワイズマンの映画は、今まで観たことがなかった。前知識で、ワイズマンの映画の手法はだいたい同じで、ナレーションもなく淡々と場面を映していく。観てどう思うか、どう感じるかは観客に委ねられる。今回の映画は、図書館といっても、施設でも資料でもなく、「人」を語る映画だった。思った以上に予想外に「人」中心だったが、それはそれでよかった。ギョーカイ内の人なら、読書会のテキストや、仕分けのシステムや、レファレンスの端末にも興味がいったかもしれないし、施設も資料も大切だけど、やっぱり「人」が動かしていくのよね。その反面、オモテ稼業的には「ぼ〜っとやってんじゃないよ」といわれているような映画でもあった。

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2019年8月12日 (月)

映画「パドマーワト 女神の誕生、「クローゼットに閉じこめられた僕の奇想天外な旅」

 6月7日からインド映画が2本かかっている。インド映画の上映は名画座の単館上映が多いのだが、どちらもロードショー館というのも驚き! また2本同時というのも珍しい! だが、連チャンはしんどいので、まず、公開3日目で1日2回上映になっている「パドマーワト 女神の誕生」を観て、次の平日の休日に「クローゼットに閉じこめられた僕の奇想天外な旅」を観てきた。 「パドマーワト 女神の誕生」Padmaavat ヒンディー語 164分 2018  ディーピカー・パードゥコーン、ランヴィール・シン、シャーヒド・カプールと人気女優・俳優を配した豪華版。いかにもラジャスターンという衣装や舞台も美しく、自然も雄大でみていて惚れ惚れする。ただ、ストーリーはラージプートの風習に従った女性たちの集団自決(ジョーハル)で幕を閉じる。いいのか? その終わり方で。慣習に慣れない現代人もしくは日本人には納得できない部分もあるのだが、16世紀の叙事詩をもとにしたものだというから、ラストはもう決められているのだ。きっと、インドではこういう話だとみんな知った上で観ているのだ。善いも悪いもない。平家物語で平氏が壇ノ浦の戦いで滅びる運命と同じなのだな。 「クローゼットに閉じこめられた僕の奇想天外な旅」The Extraordinary Journey of The Fakir 96分 2018

 主人公はインド人だが、インド映画じゃない不思議な寓話。フランス・ベルギー・インド映画とパンフには書いて、俳優もスタッフも国際色豊か。しかし、公開5日目で、まだ公開2週目なのに、早や1日2回上映(うち1回は22時からのレイトショー!)。鑑賞した日も15人足らずだった。心配だ。インドからフランス、イギリス、スペイン、イタリア、リビアとインドに戻ってくるまでのロードムービーで、「ありえんだろう!」という展開もあり、けっこうヒドい目にもあうけれど、笑顔で切り抜けてしまう主人公のアジャ(ダヌーシュ)に毒気を抜かれて、なんとなくそのまま入ってしまう不思議な映画だった。

2019年4月28日 (日)

映画「移動都市 MORTAL ENGINES」

 花粉の季節はとても眠いか、起きていてもティッシュが手放せないので、パソコン操作も読書も原稿もまったく進まず、無為な休日を過ごしてしまった。でも、そろそろ夏に向けてなんとかしたい今日この頃。とりあえず、ちょっと古いネタから始まる。
 
「移動都市 MORTAL ENGINES」2018年/アメリカ/128分  Twitterで流れてきた、巨大移動都市と小都市のカーチェイスの画像をみて、「これは好み」とカンが働いた。でも、始まったばかりなのに、字幕版1回、吹替版1回、それでも席の余裕で二重丸らしいから、いつ上映終了になるかわからないと、急いで行ってきた。指輪物語のピーター・ジャクソンが映画化した……という割には、あまり話題にならずに短期で終わってしまった。
 それは観たら、なんとなく納得した。ビジュアルはとてもステキ。最終戦争で文明が滅亡した千年後の世界。埃にまみれた都市は細部までとても凝っている。ロケは世界の田舎ニュージーランド? キャラもなかなか魅力的。(ヒーロー以外) ただ、ナウシカのような遠未来、ラピュタのような浮遊要塞と空賊たち、ターミネーターのようなサイボーグ……と、「の・ような」というイメージの重なりがいくつもある。
 でも、それよりもストーリー! 私は原作を読んでないので、それが原作によるものかどうなのかがわからないのだが、ストーリーはツッコミどころが満載だった。ロンドン以外の他の都市はどうした? そして、2時間で世界を救うには、どうも身内っぽくなって、世界が狭い。父親と母親と娘で世界が救えるのか? そして世界を救う鍵のプロテクトが甘すぎて、都合が良すぎる…… ああ、やっぱり原作を読んでみるべきかな。

 

2019年2月28日 (木)

映画「バジュランギおじさんと、小さな迷子」

「バジュランギおじさんと、小さな迷子」Bajrangi Bhaijaan 2015 ヒンディー語159分
 1月になって、フツーのロードショー館のMOVIXでかかっていた「バジュランギおじさんと小さな迷子」。公開されて1週間ぐらいの早い時期で観てきたのだが、blog記事はついネタバレになるので、終了するまで自重していた。ロードショー館にかかるくらい一般人にも十分感動させる良い映画だから、機会があればぜひ観てほしい。
 正直なハヌマーン信者のバジュランギおじさんことパワン(サルマーン・カーン)が、パキスタン人の小さな迷子シャヒーダー(ハルシャーリー・マルホートラ)を故郷に帰そうとするロードムービー。ストーリーは微に入り細に入り細かな目配りがあり、人々の宗教観・慣習・暮らし方や自然の情景がさりげなく豊かに描かれる。いろいろ理解しあえるには厳しい局面もあるが、総じて人々は情があり、ラストは号泣ものだ。
何たって、舞台がカシミールなのだ! インドとパキスタンの争いは分離独立した頃からずっと続いている。映画にも何回か取り上げられているが、私は初っぱなに観たのが「ディル・セ 心から」だから、とても悲惨な印象がある。「ディル・セ」ではヒーロー(インド側)とヒロイン(パキスタン側)は抱き合って自爆するのだ。次に観た「ミルカ」もシーク教徒の主人公の故郷の村が焼き払われ、村人は殺され、主人公は故郷を追われてしまう。その後に観た「PK」では、ヒロインの恋人はパキスタン人だが、宇宙人の宗教観をもって、まだ救いがある。だんだん印パ間の描かれ方も変わってきたのかと思ったが、現実はつい最近も印パ間で爆撃があったというニュースがあった。この映画のように、これからは平和であってほしいと切に願うばかりだ。
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2019年1月21日 (月)

2018年観たインド映画その7 「神がむすびあわせた二人」

神がむすびあわせた二人」Rab Ne Bana di Jodi 2008 ヒンディー語 164分
 大阪のシネ・ヌーヴォで9月20日〜10月5日で開催されていた「インディアンシネマウィーク(ICW)」には、台風の影響も合わさって、観に行くチャンスが全くなかった。しかし、その中からチョイスして、「インディアンシネマウィーク(ICW)リターンズ」というのを12月22日〜12月28日まで開催してくれた。年末の繁忙期、このスケジュールもなかなか難しいのだが、その中で12月27にオモテ稼業の時間休とって、「神がむすびあわせた二人」を観て、遅い昼メシをかっこんで、遅番出勤した。
 シャー・ルク・カーンアヌシュカ・シャルマーが主演のヤシュ・ラージ・フィルムの作品。SRKが、地味な電力会社の社員スリーと妻に隠してダンス教室に行くカッコつけのラージを演じる、一人二役的なキャラクター。やっぱりSRKは、役作りが上手くて、観てて楽しい。アヌシュカ・シャルマーは最近よくスクリーンで観るなあ。初めて観たのは、「命ある限り」だったと思う。その時は、それほどステキとは思わなかったんだけど、この時もSRKと共演している。「PK」ではアーミル・カーンと、「スルターン」ではサルマーン・カーンと共演していた。すごいぞ! 3カーンとすべて共演している! だんだん演技も上手くなって、今風に美人だなあと注目するようになった。それと、スリーの友人の美容師役の人(だれだ?)も個性的で良い感じ。とても楽しめる映画だった。

2019年1月20日 (日)

2018年観たインド映画その6 「パッドマン」

「パッドマン」PAD MAN 2018 ヒンディー語 137分
 12月26日にMOVIX京都で鑑賞。そうなのだ! ごくたまに一般のロードショー館でインド映画がかかることがあるのだが、これがそのひとつ。しかし、27日で終わってしまうので、無理して突っ込んだので、晩メシが仕事日のように夜10時頃になってしまった。
主人公ラクシュミにアクシャイ・クマール、妻のガヤトリにラーディカー・アープテー(あまり知らない)、起業家のパートナーのパリーにソーナム・カプールアミターブ・バッチャンが本人役でちょっとだけ特別出演している。
 この映画にはモデルがあり、主人公の苦労はその起業家の苦労に基づくものだが、これだけ生理用ナプキンや女性の月経について大きくクローズアップされ、テーマになった映画は世界でもないのではないか。いや、前半は「やっぱ、ヘンタイにみえるよなあ」と思わないでもなかったが、発明好きという伏線を張って、力技で起業にすすめていくところがすごい。それも、これがデリーやコルカタのような都会だったらこんなにインパクトはなかったかもしれない。主人公ラクシュミが暮らす町は北インドの中部マディヤ・プラディーシュ州の田舎町、モデルの男性は南インドのタミルナードゥ州の出身だ。映画の舞台となるその素朴な風景には伝統的なしきたりを重んじる人々が重なる。他に類を見ないことをしながら、ラクシュミは英語もつたない都会的な人間ではないところがまた味わいがある。


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2019年1月17日 (木)

2018年観たインド映画その5 デジタルリマスター版「ムトゥ 踊るマハラジャ」

「ムトゥ 踊るマハラジャ」Muthu 1995 タミル語 166分
12月26日に京都シネマで鑑賞。これを皮切りに、年末に駆け込みでインド映画を3本観る。まず、これを観て、また昼メシを食べ損ねた。「ムトゥ 踊るマハラジャ」は以前観たことがある。いつだったか忘れてしまったが、パンフレットによると1998年、ちょうど20年前のようだ。その時、CDも購入していたので、今も音楽はいっしょにリズムを取れる。今回、デジタルリマスター版で、画像も綺麗になったと思うが、やはり粗さや色彩は20年の年月を感じる。そのアタマについている4K&5.1chというのは何?と思ったが、ネットでググると、4Kはスクリーンのサイズで、5.1Kはサウンドスピーカーの構成らしい。
 ラジニ様、若いわ! この頃からスーパースターだったのね。ミーナは今みれば、ちょっとぽっちゃり型。南インドの景色が素朴でいいなあ〜 この新版のためのパンフレットも盛りだくさんで、松岡環さんやマサラワーラーの武田尋善さんやラジニ.jpの安田英俊さんとか面白いネタがいっぱいだ。


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2019年1月16日 (水)

2018年観たインド映画その4 「ガンジスに還る」

「ガンジスに還る」Mukti Bhawan 2016 ヒンディー語 99分 
 11月19日に京都シネマで鑑賞。実はこの時、京都シネマではインド映画が2本かかっていた。それも昼食時に「ガンジスに還る」と夕食時に「裁き」。2本はしんどいので、昼メシを諦めて、『ガンジスに還る』の方を観ることにした。
 インド映画といっても久しぶりのエキプ・ド・シネマ。死期を悟って聖地バラナシに行こうとする老父ダヤと、仕事を休んで随行する息子ラジーヴ。死を待つ「解脱の家」に滞在し、老いた父を見つめるラジーヴに仕事が追いかけてくる。別れて住む妻や娘とのトラブルも発生する。老父と息子の会話にしみじみと死生観に想いを巡らせてしまう。今、老いがテーマになるのは日本でもインドでも同じ。


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2019年1月15日 (火)

2018年観たインド映画その3 「人間機械」

「人間機械」MACHINES 2016 71分
 10月21日に出町座で鑑賞。これは、インド・ドイツ・フィンランドの3カ国の制作のドキュメンタリー映画だ。なぜ3カ国?というと、監督はインドのラーフル・ジャインという人だが、パンフレットの監督のインタビューによると、2015年にゴアで開催された「フィルムバザール」に出品した制作途中の作品をフィンランド人の審査員がプロデューサーとなり、ドイツの共同制作者がサウンドとカラーリングのポストプロダクションの資金を工面してくれたかららしい。言語が示されていないのは、労働者たちはあまりしゃべらない。インタビューの時は、ヒンディー語の時もあるような気がするが、グジャラート語かも知れないし、いろいろ出稼ぎの人も多いから言語が入り混じっているのだろう。経営者は英語をしゃべっていた。
 吉田亮人さんの写真集『Tannery』(これはバングラデシュの皮革工場だけど)や三井昌志さんの写真集の渋イケメンのような「労働」をテーマとした重い内容だった。グジャラート州の巨大な繊維工場。色鮮やかな綺麗なインドサリー。その布を作っている工場の過酷な状況を、声高に訴えず、淡々と映し出す。映っている人たちは機械の大音響の中、淡々と仕事をしている。淡々と生きている。インドの壮大なもの、精美なもの、陽の部分だけでなく、深淵な陰の面も知っているかと黙って突きつけられたような作品だった。

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2019年1月14日 (月)

2018年観たインド映画その2 「マガディーラ 勇者転生」

「マガディーラ 勇者転生」MAGADHEERA 2009 テルグ語 139分
 10月5日に出町座で鑑賞。もっと以前に、シネ・ヌーヴォでもかかっていたのだが、自分の原稿の追込と台風のおかげで行けなかった。
「バーフバリ」がヒットしたので、そのラージャマウリ監督の以前の作品が日本でも上映された。チラシによると世界初公開のディレクターズカット国際版らしい。「バーフバリ」のようなスペクタクルな王国のドラマ、インド映画によくある輪廻転生テーマで、これまたよくあるひとり2役。いや、いいんですよ、楽しいから。「ありえんだろう〜!」と笑えるシーンもあるし。CG満載だし。ラーム・チャランさんはハンサムだし。でも、「バーフバリ」を先観てしまったので、それ以上ではなかった。いちばんそれ以上でないと思ったのが、女性キャラがかっこよくない。キレイだけどキャーキャー言ってるだけ。それと、現代編のハルシャが軽すぎる。

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