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2016年6月20日 (月)

小説『エイラ−地上の旅人』全6部全16巻

 ジーン・アウル著、ホーム社発行『エイラ 地上の旅人』全6部全16巻を約3年かけて読んだ。5歳(推定)の頃、地震によって家族・一族を失ったクロマニヨン人の子どもエイラが、ネアンデルタール人の氏族にひろわれ、そこで成長し、その後そこを出て、同族(異人)と出会い、在るべき場所にたどり着くまでの壮大な旅の物語だ。
 発行は読み始めるまでよりずっと以前なのだが、完結してからにしようと思っていたので、最終巻が出たことを確認して読み始めた。実はそれ以前に、この小説は児童文学として評論社から第4部まで発行され、未完に終わっている。そっちの方も読んだ。併せて発行順に並べてみると、以下のようになる。

シリーズ「始原への旅立ち」(評論社版)
『大地の子エイラ』(上・中・下巻)1983年刊
『恋をするエイラ』(上・中・下巻)1985年刊
『狩りをするエイラ』(上・中・下巻)1987年刊
『大陸をかけるエイラ』(上・中・下巻)1993年刊

シリーズ「エイラ−地上の旅人」(ホーム社版)
『ケーブ・ベアの一族』(上・下巻)2004年刊
『野生馬の谷』(上・下巻)2004年刊
『マンモスハンター』(上・中・下巻)2005年刊
『平原への旅』(上・中・下巻)2005年刊
『故郷の岩屋』(上・中・下巻)2005年刊
『聖なる洞窟の地』(上・中・下巻)2013年刊

 いちばん最初に評論社版の第1部を読んだ。それがめっちゃ面白くて、数々のふりかかる危機にエイラが立ち向かい、乗り越えていく様子がハラハラドキドキの連続で、分厚い全3巻を一気に読み切った。終巻まで読んだ今でも、第1部がいちばん面白かったなあと思う。しかし、エイラが成長して行くにつれて、どうしてもセックスが官能的に絡んでくるし、大人同志のかけひきが多くなってくるし、人がいろいろ死んだり、ちょっと残酷なシーンもある。児童文学としてはしんどいかなあ……と思っていたら、評論社版が出なくなった。あとで、ホーム社版をみたら、著者は大人向きに書いた小説であり、全訳版が出たことがうれしいといったようなメッセージが書いてあった。評論社版は抄訳だったのか。(といっても、ボリュームをみると、削られたのはわずかだろうと思う)だいぶ前に読んで、読み返していないけど、第1部なら最後の方に、カニバリズムを思わせる箇所があったので、そこらへんかなあ。ただ、それだけではなくて、原書の発行ペースも後半落ちている。第1部から第4部までは、1980〜1990年でコンスタントに発行されているが、第5部が2002年、第6部が2011年と、ずいぶん間があいている。そして、第5部が出て以降、ホーム社が版権を買い取って、訳も新たに第1部から発行しなおしたようだ。
 読み切るのに3年もかかったのは、そればかり読んでいたわけではなく、並行してや巻の合間に別の本を読んでいたりしたからだ。なんせ、分厚いハードカバーなので、通勤に持ち歩くのをときどきやめたくなる。また、ストーリーの中に、大自然の描写や薬草や狩りや暮らしの様子が詳しく調べられて語られる。もし現代社会が崩壊して原始にもどっても、エイラたちの知恵があれば生き残れるかもと、思わせられるほど詳しい。詳しいが、ちょっとかったるくなる。休憩したい。
 でも、読み切れたのは、やっぱり面白かったからだ。人の思考や簇(むら)の慣習は現代とは異なり、なじまないかもしれない。でも、何もないところから知識を獲得し、新しいことを始めていく行程は、読んでいてぞくぞくする。生きることは進化であり、こうして人類は今まで歩んできたんだと時空を超える思いを抱いてしまう長い旅だった。

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