小説『11』(イレブン)
『11』(イレブン) 津原泰水著(河出書房新社)
昨年読んだのに書きそびれてしまった。この津原泰水の短編集には、近藤ようこのマンガ『五色の舟』の原作が入っているので、読んでみたかったのだ。台詞まわしもほぼ同じだが、確かにヒロシマが具体に出てきていないので、もっと寓話的なぼんやりした舞台だ。絵って偉大だ。それでも、十分面白い。この短編集のなかではやっぱり一番好きだ。
短編集の他の作品にも通じて、斐坂(いさか)という人物が何回かでてくる。『五色の舟』でのくだんを撃つ兵隊さん、『微笑面・改』という作品では彫刻家、『YYとその身幹』では不倫する男……作者にとってキーマンなのかもしれない。
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