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2015年7月

2015年7月31日 (金)

小説『アンダーグラウンド・マーケット』

『アンダーグラウンド・マーケット』 藤井太洋著 (朝日新聞出版)
 『Gene Mapper –full build-』、『オービタル・クラウド』に続く紙の本の3冊目。これも先だって電子図書で配信されている。第1部「ヒストリアン・ケース」、第2部「アービトレーター」の2編が入っていて、これはまだまだシリーズで続きそう。今回の舞台は2018年の日本、現代より3歩ほど進んだ未来社会は、デジタル仮想通貨や高齢化社会と高額税制、移民の増加、ワーキングプアならぬ「フリービー」と呼ばれる定住地を持たない労働者層など、リアルと虚構が混ざり合う世界。「フリービー」のWebエンジニアの木谷巧、森谷恵、デザイナーの鎌田大樹の3人が受けたWeb改造の仕事が、デジタル経済圏の陰謀につながっていく。舞台設定は魅力的で、読み始めたらイッキ読み。キャラはなんとなく、今までの作品にかぶってしまう気がするのは、相変わらず性格がいいキャラが多いせいかもしれない。藤井太洋の作品に、性格の歪んだ思いっきり破滅的な悪役はいない。安心して読めるからいいけど。

2015年7月11日 (土)

京都国際マンガミュージアム「萩尾望都原画展」

 春に東京・銀座のギャラリーで開催されていた「萩尾望都原画展」が、京都で開催されることになった。6月18日(木)〜7月14日(火)まで。マンガミュージアム、ありがとう!
 思えば、2009年〜2011年に東京・名古屋・福岡で行われた「萩尾望都原画展」は、ついに関西にはやってこなかったので、福岡まで行ってきた。今度こそやっと望都さまが京都にご降臨! ……と喜んだのだが、規模ははるかに小さいもので、原画点数の少なさにちょっとガッカリ。もともとマンガミュージアムはそれほど広い展示場はないので、ある程度は覚悟していたが、原画展は部屋ではなく、入り口近くのロビーで開かれていた。たしかにあまり観られない貴重な原画も多かったけれど、点数の総計20点足らず……う〜ん。
 今回の原画展は、サブタイトルに〜『銀の舟と青い海』出版記念〜とついていて、「この本、だいぶ前に出たんじゃ?」と思っていたら、河出書房新社から今年の3月に文庫版がでたらしい。ただの文庫化かと思ったら、7作品を追加掲載してると巻末に書いていた。むむ…、ちょっとセコいぞ、と思いながら、買ってしまうファンは多いのだろうなあ。(私も) なので、展示されている原画もこの本に収録されている作品ばかりだ。……いや、『トーマの心臓』の原画もあったなあ。写植の黄ばみが古さを伝えているが、カラーも白黒も原画はとてもきれいに保存されている。

2015年7月 7日 (火)

マンガ『銀の匙』13巻

『銀の匙』 荒川弘著(小学館)
 八軒たちの2年生は前巻一巻分で過ぎてしまい、この巻ではいよいよ最終学年、高校馬術選手権が前半のクライマックス、後半は石窯ピザ試食会、そして駒場くんが最後に動き出す。この話も登場人物が多いけれど、たくさんの脇役も含めて、目配りが行き届いている。離れて住んでいる八軒の両親、家庭教師をしている兄ちゃん家には子どもが生まれるらしい。学校をやめた富士先生も登場。駒場くんの双子の妹たちもしばらくみないうちに大きくなっていた。巻末で夏休みが終わっていたから、いよいよ卒業まで半年、受験ももうすぐ、物語のフィナーレも近いかも知れない。

2015年7月 6日 (月)

映画『デリーに行こう!』無料上映会

『デリーに行こう!』CHALO DILLI
 Twitterで無料上映会があるのを知って、申し込んでみた。月曜日の夕方5時から、場所は大阪の中之島にある専門学校の講堂で120名。はて?これはどこらへんをターゲットにしているのか? 平日の5時なんて、まっとうな仕事人は来れないし、専門学校の講堂だから、学生向き? でも、120名ってそこそこのボリュームよね。ちょっと変な観客(自分)が混じってもわからないかしら? と思って行ってみたら、関係者も含めて30人ほどのこじんまりとしたイベントだった。
 それにこのイベント、どこが主催かよくわからん。上映の前に、「ボリウッド映画とインド文化の影響によるインド渡航日本人の増加について」というパネルディスカッションが30分ほどあるらしい。パネラーは、IFFJ(インディアン・フィルム・フェスティバル・ジャパン)主宰のスレシュ・ターティーさん、インド政府観光局 日本・勧告・台湾マネージャーのビディシャ・セン・グプタさん、インド映画情報誌「ナマステ・ボリウッド」のすぎたカズトさん。このメンツだとそんな妖しいものじゃないだろうとは思ったが、なかなかアバウトなイベントだった。パネルはタイトルほど仰々しい内容ではなく、すぎたさんは日本語、ターティーさんは英語とブロークンな日本語混じり、グプタさんはオール英語だが通訳無しで、映画やインドのことをしゃべっていた。インド政府観光局の地図とちょっとしたおみやげがあり、終わった後はサモサなどのインドスナックをいただいた。おそらく、主催はIFFJ、スポンサーはインド政府観光局、すぎたさんはパネルのコメントによると「月曜日空いてるよね?」といわれて呼び寄せられた感じ。
 『デリーに行こう!』は、2012年のIFFJでは観ていないし、昨年映画館で予告は観たけれど、結局上映館・上映期間をつきとめて観るまでは至らなかった。やり手のキャリアウーマン・ミヒカ(ラーラー・ダッタ)とお騒がせな布屋のおじさんマヌ(ヴィネイ・パタック)との、ムンバイからデリーまでのドタバタ道中記。おもしろおかしく最先端のハイテク上流社会から裸足で地道を歩く庶民の生活までのインドの幅広さを見せつけながら、どんなアクシデントも「大丈夫、たいしたことはない」というマヌのことばの真実が最後に明かされてホロリとさせられる。
 映画の後は、サモサをいただきながら観客同士おしゃべりして、それぞれいろいろな縁をインドに持った人が観にきているのだなあとわかって楽しかった。神戸から来た人が多かったのは、なるほどと思ってしまった。

2015年7月 5日 (日)

マンガ『重版出来!』1〜5巻

『重版出来!』 松田奈緒子著 (小学館)
 この『重版出来!』(じゅうはんしゅったい)の1巻目が出たのは2年前の2013年4月。前々から気になっていたけれど、「どうしようかなあ」と買うのを逡巡していたが、この4月に5巻目が出たとき、「えいや!」と大人買いしてしまった。……結果、「買ってよかったよ〜」
 出版社・興都館の週刊バイブスに就職した黒沢心を中心に、本にかかわる人々の生き方を個性豊かに描いている。小熊の愛称?の心ちゃんは、体育大学の柔道部出身らしく、礼儀正しく、元気があって、何事にも前向きで、観ていて救われる。そして、編集者やマンガ家はもちろんのこと、アシスタント、マンガ家志望者、製版所のDTPオペレーター、本屋の店員、デザイナー、その家族や周辺の人々まで、目配りが広い。それに、あちこちでホロッときたり、キリリとくる台詞がある。1巻目の社長の久慈さんのエピソード、「本が私を人間にしてくれたからです。」、ああ〜!すばらしい。5巻目の心ちゃんが新人マンガ家の東江さんに言うことば、「離した手は、もう一度しっかりつなげばいいんですよ」泣かせるな〜 今から6巻目が楽しみだ。

2015年7月 4日 (土)

panpanyaの不思議なマンガ

『蟹に誘われて』 (白泉社)2014年4月刊
『枕魚』     (白泉社)2015年5月刊
『足摺り水族館』 (1月と7月社)2013年8月刊

 この3冊は、panpanya(パンパンヤ)というペンネームの著者のマンガだ。この3冊で商業出版されているのは全部だと思うが、この列びの順番は私が読んだ順。
 いずれも短編集なのだが、世界は一貫している。名もない寂れた片田舎の街や半分廃墟になったような地下街に、土管頭の人が歩いていても、計算機のイルカがいても、アマゾンにオオサンショウウオがいても、誰も驚かない。不可解なことが淡々と受け入れられて、話が進んでいく。
 実はpanpanyaさんは、COMITIAの同人誌出身の人なのだが、『COMITIA 30Th CHRONICLE』の2巻目に掲載されている「地下行脚」を読むまで知らなかった。こんな波長の合うマンガを描く人なのに、COMITIAの5000サークルの中から見つけられなかったなんて、不覚だった。これからも応援していきたい。

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