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2015年2月 9日 (月)

マンガ『ディエンビエンフー』

『ディエンビエンフー』西島大介著 角川書店(ニュータイプ100%コミックス全1巻)
『ディエンビエンフー』西島大介著 小学館(IKKI COMIX 1〜11巻継続中)

 1年ほど前、新古書店でなんとなく角川版を購入して、「これはすごい!」と思って、小学館版を探した。小学館版は既に、10巻近く出ていたので、あちこち探したが、揃いを見つけられなくて、先月やっと揃っていたのを大人買いした。いや、見つけられなかったのは品ぞろいだけの問題ではなく、タイトルをおぼろげしか覚えていなくて、出版社も忘れているようないい加減な状態で探索したせいだ。しかし、新刊書店で購入したのに、天や小口がちょっと黄ばんでいるのはなんだかなあ〜 角川版は『COMIC新現実』に掲載されていたが、休刊で中断。(たしかに終わっていない) 小学館版は設定やストーリーをやや変更して、『IKKI』に掲載されていたが、休刊になって、描き下ろしで刊行中。ぜひ、完結してほしい。
 西島大介は、SFマガジンなどでイラストや短編マンガが掲載されていたけれど、それまではあまり食指が動かなかった。『魔法なんて信じない。でも君は信じる。』は、読んだが、これは西島大介作品だからというわけではなく、エッセイマンガとして興味があったからだ。あの、かわいいキャラクターと、手抜きではないと思っているけれど白い空間がひろがる構図や白黒のはっきりした絵、独特の描き文字など、個性的ではあるけれどちょっと好みとは違うので苦手意識が先に働いたかもしれない。でも、その絵で語られるエキセントリックパラレルワールドは、『地獄の黙示録』でも『ランボー』でも『7月4日に生まれて』でも興味がわかなかったベトナム戦争に俄然のめり込ませてくれた。ベトナムの歴史、インドシナ戦争、ディエンビエンフーの戦いから、アメリカの参戦から撤退までのベトナム戦争でのいろいろな出来事—テト(旧正月)攻勢、フエの市街戦、ソンミ村虐殺……、なぜ面白いと感じるのかというと、きっとアメリカの正義や反戦思想などのプロパガンダがないからだろうなあ。アメリカが発信する悲惨さだけがベトナム戦争じゃない。
 しかし、かわいい絵柄にだまされて読むと、実は血なまぐさく、人があっさりとたくさん死ぬ。それに、いちいち哀しい、つらい、神はどこへいったとかの感情の発露はない。主人公のヒカルの脳天気さ、笑い声しか発しないお姫さま、脇役にもいわゆる道徳的に反応するようなまっとうな精神のキャラクターはいないけど、すべてが狂っているわけではない。このビミョーなバランス。ここらへんの感覚をどう読み取るか、これは、読む人を選びそうな作品だ。オススメするには人を選ばないと。

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