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2014年9月

2014年9月30日 (火)

『十二国記画集 第一集 久遠の庭』、「山田章博展Exhibition&Café」

『十二国記画集 第一集 久遠の庭』山田章博著 (新潮社)
 今まで発行された山田章博さんのイラスト集には小野不由美の小説『十二国記』関連のイラストは含まれていなかった。「きっと、『十二国記』だけで1冊だすつもりなんだろうなあ」とうっすら思っていたのだけど、それが新潮社から出た! それも2分冊になるらしい。『十二国記』は、最初は講談社X文庫ホワイトハートシリーズで刊行されていた。その後、講談社文庫にイラストなしで再刊行。最近、新潮文庫で新しいイラストをつけて再々刊行中である。今後の新刊も新潮社から刊行されるようである。もともと、新潮文庫からシリーズ化前に単品で出ていた『魔性の子』も含めている。なにか大人の事情があったのだろうが、今回の画集は、講談社ホワイトハートのイラストやCDブックのジャケット、カレンダーの書き下ろし、海外版用のイラスト、プレゼント色紙、未使用原稿なども含めて網羅しようとしているところがうれしい。『第一集 久遠の庭』は、1991年から2006年発表のものとのこと。第二集の刊行も楽しみに待ちたい。

 その画集刊行を記念して、8月2日〜31日まで、東京の青山にあるギャラリーGoFaで「山田章博展Exhibition&Café」が開催された。間に展示入れ替えをして1期2期に分けている。夏コミにあわせて行くことができた。きっと、同士もたくさんいたのではないかしら。原画はほとんど見たことがある作品なのだけれど、文庫サイズで見ているので、それより大きい原寸でみると、なんとなく新鮮。筆が早くて、下描きなしでも描けると聞いていたのだけれど、本当に修正がないし、下描きのあとも見えない!う〜ん、本当にすごいなあ。まじまじ。
 しかし、私はこの会場は多いに不満! 入り口からして、入れパネに入れた看板をドアに吊っているだけだし、EVは使えず、裏口のような階段でしか行けない。会場の中は狭いし、パーテーションも美しくなく隙間があるし、原画のキャプションのコピーを貼ったようなのをくっつけているだけだし…… できれば、もっとこぎれいな画廊でやってほしかった。原画展示だけで(少しはGOODS販売もあったが)、ドリンク付きで500円という入場料を設定した企画では、精密版画を作って販売したりして大きな金がうごくわけでないし、無理なのか。でもねえ、やっぱり雰囲気作りって大事な気がするの。


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2014年9月29日 (月)

「日本SF展・SFの国」

 日本SF大会と時期を合わせて(?)始まった世田谷文学館「日本SF展・SFの国」。つくばに行ったときは、時間がなくて行けなかったが、夏コミの日程にあわせて2連休がとれたので、その際に来訪した。まだまだ期間中と思っていたら、うろうろしているうちに9月28日で終わってしまったよ。
 実は、行くまでは「文字ばかりの展示だとちょっとしんどいかなあ」と思っていたのだけど、なんのなんの、いろいろな珍しい実物がゾロゾロでてきて、とても面白かった。ウワサに聴いていた筒井康隆の家族同人誌「NULL」の実物も初めてみた。おお、有名な「SFサッカークラブ」の写真だ。(SF作家クラブが温泉に行ったとき、温泉旅館に歓迎看板に書かれていた) SFマガジン創刊号の原画をみて、あの絵が半立体というか、線が浮き出ていたのを知った。星新一さんの原稿って、小さい字がぎっしりつまっていて、すごーい。他にも小松左京さんや筒井康隆さんの直筆生原稿もある。SF第一世代のみなさんの写真がみんな若いよ〜 昔のSF作家クラブの会報(だっけ?)には、今ならSNSやメールで打ち合わせしそうないろいろ個人情報満載な連絡事項がいっぱい書いている。もう時効? 図録は往年の科学読み物風だし、会場および会期限定の御三家の短編をおさめたミニブック『きつねこあり』もあった。
 有明の某所の人ごみとは雲泥の差を感じるゆったりと静かな世田谷文学館で、展示を堪能した。他にも、館内で展示していた「ムットーニのからくり書物」も面白くて、2回の実演を全部みてしまった。


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2014年9月28日 (日)

日本SF大会なつこんレポート その4 7月21日(オプショナルツアー)

 なつこんで、オプショナル見学ツアーが大会終了の翌日21日(月/祝)に企画されたので、せっかくつくばに行くのだからと申し込んだ。ところが、18日夜の出発までに、受付確認のメールとかの返事がこない。定員オーバーなら断りのメールが来るだろうが、来ないのだからまず大丈夫だろうと見切りで出発した。20日の閉会式でも周知がなかったので、帰りにインフォメーションで聞いてみたら、受理はされているようだった。(大会が始まったら、オプショナルツアーのことをすっかり忘れてしまっていた)
 さて、当日朝、つくば国際会議場に集合し、バス1台で出発。見学施設は、「高エネルギー加速器研究機構(KEK)」、「地図と測量の科学館(国土地理院)」、「地質標本館(産総研)」の3カ所である。
 「高エネルギー加速器研究機構(KEK)」では、藤本博士とうるの拓也さん(KEKサイトで物理マンガ「カソクキッズ」を連載)のおたくな解説つき。敷地が広くて、その中の建物から建物へもバスで移動https://www.gsj.jp/Muse/した。KEKにあるのは、BelleⅡ(ベルツー)測定器とSuperKEKB(スーパーケックビー)加速器。加速器で光速に近い早さに加速した電子と陽子を、測定器の位置する衝突点で衝突させるという実験をしている。ここで、TV番組「ガリレオ」のロケもあったらしい。また、KEK内の放射光科学研究施設フォトンファクトリーにも行った。それぞれどんな施設かはヘタな解説を私が書くより、KEKのHPのほうが詳しくわかりやすい。
 「地図と測量の科学館(国土地理院)」は自由見学。こっちは古地図や測量の方法や地図記号や3Dで見られる日本列島やお弁当をひろげられるような広場もあって、小学校の社会見学向きの施設。
 「地質標本館(産総研)」 が、地層や地震や化石や地質学に関する研究成果を一般向きに公開している施設。地図と測量の科学館よりもちょっとディープなかんじ。加えて、ここは、自由見学の予定だったようだが、対応してくれた方がもとつくば大のSF研の人で、うれしそうに展示物をディープに解説してくれて、時間が足りなくなり、後半を駆け足でまわることになった。
 今回のオプショナルツアーはこの3箇所で、つくばエキスプレスの駅前つくばセンターで解散となったが、強者はそのあと「つくばエキスポセンター」に向かったようである。「つくばエキスポセンター」は1985年の科学万博の第2会場の跡地であり、私も当時一度来たけれど、どこがどうなっていたのかまるっきり覚えていない。他にもJAXAの筑波宇宙センターなど有名どころの見学ポイントもあるので、また再訪したいところである。
 写真はKEKのBelleⅡ、地図と測量の科学館の日本列島空中散歩マップ(専用の赤青メガネでみると立体的に見える)、「地質標本館」のロビーにある地球の中心から見上げた日本列島。

 あ、結局、オプショナルツアーのお知らせメールは前日20日の昼間にパソコンのメルアドに届いていたのを、帰ってきてから見つけた。転送設定をしておくべきだったか。

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2014年9月25日 (木)

日本SF大会なつこんレポート その3 7月20日(2日目)

 2日目は、9:30から休憩なしで4コマの企画あり、15:30から閉会式となる。夜に某所では宴会企画もあり、参加者は寝不足の人も多いかもしれないが、みんな元気だ。
 ディーラーズルームのブースを開くために、9:00に会場入り、タクヤに時刊新聞の原稿を持っていってもらう。そういえば、今年はキッズコンがなかった。キッズたちはどこにいったのだろうと思ったら、2階のオープンスペースでの終日企画「SFボードゲームの部屋」で4〜5人丸くなってDSをやっていた。
 1コマ目は、恒例の「日本SF図書館員協会 第14回総会」。この企画の内容は、主催者のHPに詳しいが、第1回が1995年(平成7年)というから、ええ!もうすぐ20周年!? いや、おそろしい。毎回、悪に幹部が集まって、図書館にSFをどのように浸透させているか、活動報告を行っている。毎年見る顔も多いのだが、毎回、ご近所のSF好き、本好き、図書館好きの参加もある。今回は主催者のお膝元でもあり、図書館司書を多く排出したもと短大を吸収した大学のある場所でもあるので、近所の参加者もさらに濃い人が多かったかも。
 そのあと、今回ぜひ行きたかった「百々似(ももんじ)講座」。講座といっても、フェルトでちくちくと百々似を作るのだ。百々似というのは、酉島伝法さんの『皆勤の徒』に出てくる唯一かわいい白いふわふわの芋虫みたいなキャラクター。実は1日目の1コマ目は伝法さん自身が作り方を教えてくれるとのことだったのだが、行ってみたらもう人がいっぱいで入れなかった。今日は空いていた。ただ、そこにいるスタッフも「作り方はよくわからない」と道具だけくれたので、見本に置いている大小の百々似を見ながら、先に作っている人に聞いたりして30分ほどちくちくして作った。うう〜ん、いろんな百々似がいるということで、出来はみんなアバウトでいいみたい。プログラムでは、「社長が作れる企画」(社長というのも『皆勤の徒』にでてくるキャラクター)もあったのだが、これは1日目だけだったらしい。お知らせを見逃したのか。ほかにも、なつこん記念アンソロジー『夏色の想像力』の帯を作る場所にもなっていて、自分で4種の帯をカッターで切って作ってもってかえるというものだった。これはディーラーズルームで本体を買った人が続々とやってきていたが、もらえるものと思っていた人も多くて、「あ、自分で切るの?」という会話が何度もあった。でも、結局カッターナイフとマットが足りなくてそのまま持ってかえる人も多かった。
 百々似を作ったあとは、ディーラーズルームで弁当をたべて、閉会式前の撤収作業までそこでまったりとしてしまった。弁当のほかにも土産物も売っていたり、ブースのグッズも荷物になるから帰りがけに買う人も多いので、にぎやかだった。私も大会のために、食べ物とか土産物とかもできるだけ会場で買うことにしている。イバライガーブースでDVDを買ったら、ウチワをいただいた。ネギマンのウチワは来年鳥取で開催される「米魂」のPRグッズで、これもいただいた。こちらのブースのカンブリア生物の切り絵しおりは、時刊新聞に記事を投稿したこともあって、閉会を待たずに完売した。ありがたや。
 ディーラーズルームの撤収のため、少し遅れて閉会式に入ったが、各種自主企画の受賞発表の最中だった。「暗黒星雲賞」は1991年が第1回だというから、長寿企画だ。主催者の加藤さんが参加し続ける限り、続くのだろうなあ。
これからのローカルコンの案内や来年の第54回日本SF大会「米魂(こめこん)」HPはあるけど、まだ内容はほとんど何も入ってない)の挨拶もあり、最後佐藤竜雄さんの「さあ、現実の時間だ!」で幕を閉じた。

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2014年9月24日 (水)

日本SF大会なつこんレポート その2 7月19日(1日目)

 オープニングは、ゲスト・オブ・オナーの瀬名秀明さんが悪の軍団に拉致されようとして、ご当地ヒーローのイバライガーに救出されるという寸劇付き。SF者はノリがいい。イバライガーについては、詳しくはこちら。つくば市の市長さんもあいさつに登場した。瀬名さんの「さあ! SFの時間だ!!」というかけ声とともに、なつこんが始まる。
 今回はネームプレートに入れるシールブックにプログラムも書いているので、持ち歩きやすい。しかし、良く見ると、13:00〜14:30、14:30〜16:00、16:00〜17:30と間の移動時間がなし! 2日目は昼休みもない! この形式はワールドコンに慣らったとのことで、企画者の方には10分前には終了して撤収するように指令があったらしいが、この「タイムテーブル」は参加者にテレポーテーションを強いるものだと暗黒星雲賞自由部門を受賞した。タイムテーブルは、なつこんのHPに記載されている。どちらにしても、企画の間にディーラーズルームに毎回かえっているので、いつも少しずつ遅刻してしまう。
 13:00 からは、「SF古代生物の部屋2014」で、強制労働のような発掘現場で楽しく作業する化石おたくの学者さんたちのお話を聞いてきた。昨年の広島でのサンショウウオの企画といい、熱い学者さんが多いなあとうれしくなる。後で、この企画の人たちがディーラーズルームに立ち寄ってくださり、カンブリア生物切り絵しおりもみていただいた。なつこん終了後のTwitterで知ったのだが、この企画は、2008年のDAIKON7であった「きしわだ自然資料館」の見学企画が発端だったらしい。あのときも学芸員さんが熱くキシワダワニの説明をしてくれたなあ。
 「SF古代生物の部屋2014」は2コマ連続だったのだが、15:15から酉島伝法さんのカフェクラッチェに申し込んでいたので、中休みの間に抜けさせてもらう。『皆勤の徒』を読んで、すっかりファンになってしまった伝法さんだが、本物はまだ見たことがない。けれど、Twitterをフォローしていて、「この人はおそらくSF大会にくるタイプ」と思っていたが、やっぱりキタ〜! 過去のSF大会とかでも「小さなお茶会」という名前で同様の開催されているが、「カフェクラッチェ」は、少人数でプロダムのおひとりを囲んでお話するという企画で、実は参加するのは初めて。日本SF大賞もとったし、人が多いんじゃないかなあと恐る恐る行ってみたら、なんと4人!+伝法さん。なんて贅沢! お茶ならぬ発泡酒を飲みながらお話をした。『皆勤の徒』は話もストーリーもぐちゃぐちゃだが、伝法さん自身はよくしゃべって、とても楽しい人だった。イラストの原稿とかアイディアノートを見せてもらったが、とても細かい鉛筆描きで、それをコンピュータで取り込んで処理するらしい。
 16:00からは定番だけど、「星雲賞授与式」。受賞作品は、日本SFファングループ連合会議のサイトに詳しいので繰り返さないが、最近の自分の読書量の少なさにつくづく情けなくなった。小説だけでなく、コミック部門の候補作でさえ読んだやつがないよ! なんてこったい!! 海外部門のも全滅だけど、受賞作は面白そうだから読んでみよう。メディア部門は『パシフィック・リム』が受賞! うれしいっす! 副賞は、「ガマの油」だった。駅で土産物に売っていたので、私も買ってみたが、品名は「せんしょ」、愛称は「ガマの油」効能は「皮膚荒れを止めキメを整え潤を与える」薄ピンク色のクリームだった。翻訳家の嶋田さんだか、古沢さんだかどちらか忘れたけれど、「作者に送るとき同説明したらいいでしょうねえ」と受賞コメントに言っていた。

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2014年9月23日 (火)

日本SF大会なつこんレポート その1 承前

 2ヶ月遅ればせ、SF大会レポートです。

 第53回日本SF大会「なつこん」は、7月19日(土)20日(日)に、科学都市つくば(茨城県)のつくば国際会議場で開催された。幸い、21日(月・祝)の研究施設を巡るオプショナルツアーもあわせて休みが取れて、3日間SF漬けになってきた。しかし、関西からだと、できれば前泊もしたかったが、前日の18日は夕方まで仕事、3日間休みをもらうので、定時に帰れる気がしない。そのあと、新幹線・東京泊はちょっともったいないし、時間が決まらないとつらいなあと思っていたら、大阪・京都からつくばへの夜行バスがあったので、それで行くことにした。出発は夜中の23時30分ごろだから、そこまで仕事が食い込むことはまずない。このつくば行きの夜行バスは「よかっぺ号」という。
 今回は次男(中3)のタクヤと2人で参加した。夜行バスで、つくばセンターに着いた後、タクヤのリクエストでマクドナルドまで歩いて朝食。そのあと、ホテルに荷物をおいて、会場に向かった。ホテルは、駅前や会場にいいホテルがあるんだけど、ちょっと離れたお安いビジネスホテルをゲット。「ホテルつくばヒルズ」、ネットの案内では「歩いて会場まで5分」とあったけれど、初めての場所をウロウロして、大廻りして、さらに会場を通り過ぎて戻って、20分ぐらいかかってしまった。(だけど、次の日は直線の道をたどると、ちゃんと7〜8分で着けた) 会場に早く着けば、設営のお手伝いの集合時間に間に合ったのだけれど、申し訳ない。
 つくば国際会議場へは、駅からは地上の道よりも橋状の遊歩道をまっすぐ歩いて10分ぐらいで、横に公園、周囲にも飲食店も多くて、立地条件もいい。外見は地味なたてものだったが、入るとすでにSF仕様に仕立て上げられようとしていた。ディーラーズルー、ムの入り口にはモノリスがご神体の神社があり、人の身長と同じくらいの超大型巨人の首のオブジェがあった。(この超大型巨人は、解体可能で、終了後送料のみでもらい手を募集していた) ロビーでは、加藤さんのチームがライブペインティングのセッティングを始めていて、ピアニート公爵のピアノ調律もやっていた。10時からディーラーズルームのセッティングの予定だったがすでに部屋が空いていて、受付もアナウンスより早めに開始していたので、オープニングまでは、さくさくと作業も終わった。


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2014年9月15日 (月)

映画「めぐり逢わせのお弁当」

 英語・ヒンディー語 105分 2013年
 もうひとつ、京都シネマに「マダム・イン・ニューヨーク」を観に行ったら、予告編をやってた「めぐり逢わせのお弁当」、これもインド映画だわ、観なければ。……と思ったけれど、観終わったあと、「なんか名画座でやっているフランス映画みたい」と感じてしまった。「600万個にひとつ」といわれるムンバイの弁当配達人(ダッパーワーラー)の誤配からうまれた物語。仕事に行く、弁当を作る、家族や隣人と会話をする、弁当を配達する、手紙を読む、手紙を書く……この日常の繰り返しがドラマになる。そして、主人公の2人が直接逢うのかと思ったら、逢わない。そして、なんとなくもやもやとしたラスト。アンニュイなヨーロッパ映画の佳作を連想してしまう。いや、佳作だと思うので、悪くはないんだけどね。ちょっと雰囲気のちがうインド映画だった。
 あとで、パンフレットをみたら、インド=フランス=ドイツの共同制作らしく、公開も世界を意識している。映画祭にも数多く出品して(こんなにいろいろな映画祭が世界にあるのか!)、受賞もしている。主人公の1人、定年間近のやもめの銀行員を演じるイルファーン・カーンはなんとなく観たような感じの顔だったが、パンフに「サラーム・ボンベイ!」「その名にちなんで」「スラムドック$ミリオネア」等に出演していたらしい。観たはずなので、何の役だったかぜんぜん覚えていない。今回のように目立つ主役じゃなかった気がするけど、こんな中年(初老?)のおじさんが主人公になるのもいいよね。

2014年9月 8日 (月)

映画「バルフィ! 人生に唄えば」

 ヒンディー語 151分 2012年
 もう9月になってしまい、夏のイベントの記事がいろいろたまっているけれど、のこり後2つのインド映画ネタを先にあげてしまいたい。
 さて、この「バルフィ!」、実は全く前評判を聞かなくて、公開直前のフリーペーパーに載っていたのを見つけた。「これインド映画みたいだけど、全国ロードショー系のTOHOシネマズでやってるの!?」と驚いた。ネットで上映時間を調べてみると、公開開始直後の土日にもかかわらず、1日2回、次週未定。これじゃあ1週間ぐらいで切られるかも!……と思って、急いで観に行った。日曜日の昼間だが、15人くらい、大丈夫か? でも、その後Twitterなどでは、評判がいいみたいだし、京都も1日1回になったけど、2週間を越してまだ上映中だ。
 いや〜、ほんとに、この8月に続けて4本観たうちでは、私もイチオシだ。細かいところまで見ごたえがある。いままでマサラムービーは、歌あり踊りあり、ストーリーが勧善懲悪で単純なので、字幕がなくても話がわかるとよく言われていた。「バルフィ!」はちがう意味で、字幕はそれほど重要じゃない。主人公の青年バルフィは、聴覚障害者で話すことができない。読唇ができて、手話を使う。(でも、その手話にも字幕をつけていないのは、配給した会社の英断かと思う) ふたりのヒロインのうちのひとり自閉症のジルミルも言葉で思いを伝えることができない。時の流れを行き来しながら、役者は言葉で語らずとも、身体の演技で疾風怒濤のようにストーリーが進んでいく。細かな心の移ろいも、ちょっとした目の動き、手の握り方で表現していく。そして、あちこちで笑いのシーンを入れて、それでもストーリーで泣かせる。これはすごい!
 もうひとつ、すごい!と思ったのは、プリアンカ・チョープラー。自閉症のジルミルを演じている。プリアンカは他の映画で観たことがある。昨年の「闇の帝王DON ベルリン強奪作戦」だ。シャー・ルク・カーンが主演の映画で、美人でアクションの派手な警官役を演じていた。ぜんぜん、その彼女がこの彼女だとは思わなかったよ! 1982年生まれで、2000年のミスワールド、この映画の時は30歳!? 10代前半の自閉症の少女にしか見えない。演技がウソくさくなくて、とても自然。春に観た「神さまがくれた娘」で障碍をもつ父親を演じたヴィクラムもすごい!と思ったけど、もう〜、インド映画、恐るべし!!

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