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2013年10月12日 (土)

小説『Gene Mapper –full build−』

 『Gene Mapper –full build−』 藤井太洋著(早川書房)
 遺伝子デザイナー(Gene Mapper)の主人公は、自分が設計した稲が遺伝子崩壊(ジーン・コラプス)をおこした可能性があると連絡を受け、原因究明にあたり、そこに隠された事件を解決していく。
 SFマガジンでえらく宣伝していたが、「この人、知らないなあ」と思っていた。それもそのはず、これが紙の書籍1冊目だった。実は、初め読み方がわからなかったが、「ジーン・マッパー フル・ビルド」と読む。電子書籍として個人出版した小説に、早川書房が目をつけてハンティングして、増補改稿して、紙媒体で商業出版したとのことだ。ともあれ、SFMの記事を読んで興味をひかれたし、夏のSF大会でのバチガルピさんと対談も話題豊富で楽しめたので、後追いで読み始めた。バチガルピさんの『ねじまき少女』がまだ読み切れていないのに、藤井太洋さんのこの本は後から読み始めて、2日ほどで一気によんでしまった。
 読後の第一印象、「とても健全な小説だわ」。暴力もセックスもないし、ややこしく歪んだ精神状態の登場人物はいないし、未来は明るい。毒がないところが自分としては少々物足りない。
 けれど、それを上回る遺伝子工学と電脳世界の設定の魅力。『マトリックス』や『電脳コイル』のようなネットワーク社会に遺伝子工学を組み合わせたシチュエーションは視覚的に想像するに(自分の想像ごときでは貧困だが)ゾクゾクするほど面白いし、すごくかっこいい。やっぱりこれが売りなんだろうなあ。リアル社会は、混沌としたベトナムを舞台にしていて、電脳とのギャップもいい。実際ベトナムに仕事で滞在したこともあるらしいし、プレゼンもお上手なかんじで、世界にひろがる日本SF界としてはとてもいい人材だなあと思って、第2作も期待したい。

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