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2013年3月

2013年3月27日 (水)

マンガ『海街Diary 5 群青』

 『海街Diary 5 群青』 吉田秋生著 (小学館)
 鎌倉を舞台に、主人公すずと異母姉3人を中心に描かれる『海街Diary』のシリーズ。このblogにはあげなかったけど、1巻からずっと読んでいる。…というより、雑誌『Flowers』掲載時に読んでいるので、コミックスが出ても再読になるので、ついついblogに書きそびれてしまっていた。
 ここに描かれる親子の縁、親戚筋、主人公を撮りまく街の人々の善悪では区切れないやりきれない思いや、一筋縄ではいかないしがらみを淡々とながら印象的に描いている。やっぱりベテランはすごい。
 5巻が出てから、ついつい書きそびれていた間に、「マンガ大賞」を受賞されたようだ。おめでとうございます。ところで「マンガ大賞」ってなに? ネットで確認すると、2008年に始まった実行委員会形式の有志による賞らしい。選考委員に書店員が多いようで、さしずめ「本屋大賞」のマンガ版?
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2013年3月26日 (火)

小説『ビブリア古書堂の事件手帖』1〜4巻

 『ビブリア古書堂の事件手帖』 三上延著(アスキー・メディアワークス)
 著者の三上延さんは、電撃文庫でいろいろ書いていたようだが、全く読んだことがなかった。なので、古本屋が舞台ということで、ちょっと読んでみたいと思ったが、どんなものかわからなかったので、第1巻・第2巻は図書館で借りた。面白かったので、3巻が出たとき、まとめて自分で買い直した。先月第4巻も発売され、その間に、本屋大賞にノミネートされたり、マンガ版が2種類も出たり、TVドラマになったり、あれよあれよと有名になった。事件の仕掛けに使われている本ネタが濃い。『たんぽぽ娘』や『時計じかけのオレンジ』などSF者にはなじみ深いネタもあるけど、あまりメジャーじゃない作品が多い。よくこんなの見つけてきたなあ、それによく調べこんでいる。それに、本ネタの事件と、母親や五浦くんとの関係など栞子さんの周辺の出来事が平行して進行し、話を面白くしている。4巻の後書きに、「物語もそろそろ後半です」と作者が書いているのをみると、全体の構成がもうできているのか? なかなか計画的な人みたい。
 TVドラマも好評のうちに昨日終了した。さすが、マスメディアの影響で、ネタに取り上げられた本が、密林などで売れているという現象もあったようだ。キャラは原作と設定を変えていたが、ストーリーはしごく原作に忠実だったので、あまり比較して良し悪しというのはなかった。キャラ設定が変わったのは、さすがに橋の下のホームレスに女子高生が会いにいったらまずいか。でも、せどり屋の志田さんは外せないキャラなので、主人公の家に下宿させることで登場しやすくした。すると、姉妹二人の家に親戚関係でもない男を同居させるのはよくないということで、妹が弟になった……というあたりじゃないかなあと推察する次第である。当たってるかな?

2013年3月25日 (月)

友だちの友だちはやっと友だちになった

 以前「友だちの友だちは友だちか?」と書いた交通ICカードたちが、やっとめでたく3月23日に友だちになった。う〜ん、8年かかったか。
 相互利用を開始した交通ICカードは、「Suica」、「Kitaca」、「SUGOCA」、「TOICA」、「nimoca」、「PASMO」、「はやかけん」、「manaca」、「PiTaPa」、「ICOCA」の10種類。私は、そのうちの「Suica」「PiTaPa」、「ICOCA」を持っている。うん、家族の人数よりカードの枚数のほうが多いから、ちょっと整理をしなくちゃならないかな。でも、そのうちの「PiTaPa」は通勤用だし、基本ポストペイなので、紛失したらめんどくさい。旅行とかには持っていきたくないので、結局使い分けるような気がする。でも、便利になってよかった、よかった。

2013年3月24日 (日)

円城塔講演会「小説を書いて暮らすということ」

 円城塔の講演会が、3月16日に大阪市立中央図書館で開催された。円城塔さんは2〜3年前大阪に引っ越してきたことはWikipediaを見て知っていたが、昨年「咲くやこの花賞」を受賞していて、「どこか大阪で講演会とかしないかなあ」と思っていた矢先だった。私なんかは、早川書房出身! 『Self-Reference ENGINE』! 『屍者の帝国』! SF作家の講演会!!! ということで、喜んだが、世間では芥川賞作家、純文学の人というイメージなのかなあ。講演タイトルも「小説を書いて暮らすということ」だから、あまりSF色はなさそう…というのは予測できたが、SF大会などでもお目にかかったことがなかったので、お顔を拝みに行ってきた。
 結果、思った以上に楽しい人だとわかった。お話は、まさにタイトルのとおり、専業で小説を書いて生活できるのはこのライン、現在の出版事情、読者事情といったことだったが、自分でも「堅そうな難しそうな話をすると思われているんです」と言いながら、要所要所に笑いをとって、自分で話したことに自分でツッコミを入れるという、大阪在住約3年とは思えないほど、すばらしい馴染み具合だ。パワーポイントを使いながら、立って話をするというスタイルは、理系の学会報告のようで、学者さんだなあと思ってしまった。事前に申込時に「円城塔さんへの質問があれば書いてください」ということで、まとめていた質問はわりと普通だったが、会場からの直接の質問では、「自分も小説を書いているのだが」という作家志望の人が複数いたのは、やっぱりタイトルの読みどおりだったのか。
 今度は、日本SF大会にもおいでいただいて、濃いSF話もお聞きしたいなあ。

2013年3月23日 (土)

小説『屍者の帝国』

『屍者の帝国』伊藤計劃×円城塔著 (河出書房新社)
 伊藤計劃は好きだったので、出版された本は全部読んでいる。この本のプロローグ部分になっている伊藤計劃の試作『屍者の帝国』は、SFマガジン誌上でも読んだし、『伊藤計劃記録』でも読んだから3度目になる。
 円城塔は実は読んだことがなかったのだが、3月に大阪で講演会があったので、その前に『Self-Reference ENGINE』(デビュー作)と『道化師の蝶』(芥川賞受賞作)を読んだ。今までよんだことがないような世界だが、う〜ん、よくわからん。その次に本書に取りかかった。伊藤計劃がのりうつったようだった。……もしかして、円城さんってすごい作家かも、と思った。
 円城塔のペンネームの由来は、大学の指導教官だった金子邦彦の小説に登場する物語作成プログラムのひとつの円城塔利久というのに由来する。金子邦彦著の『カオスの紡ぐ夢の中で』も読んだ。この博士もSF者だ。小松左京賞に応募するのを薦めたのもこの先生らしい。いい指導教官をもったなあ。そして、そのペンネームのとおり、『屍者の帝国』では伊藤計劃のように物語を綴る作成プログラムのようだ。さらに、登場人物の主人公に付き従い、ずっと記録を続ける屍者フライデーに重なる。
 そして、伊藤計劃が遺した30ページ足らずのプロローグから、400ページにわたる屍者が共生?するパラレル19世紀が、伊藤計劃然として違和感なく面白く展開される。どこまで構想が遺されていたかわからないが(ホントにプロローグ部分だけだったら、円城さんすごい)、キャラの立ち方なんかもそれらしい。バーナビ−大尉すてき。ザ・ワンなんかはネーミングからしてメタルギア・ソリッドっぽい。
 故人の作品を引き継ぐような形で書き継がれているといえば、小松左京(書かれたときは故人ではなかったが)の『日本沈没』の第2部を谷甲州が書いたり、栗本薫の『グイン・サーガ』の世界を複数の作家で書き継いでいるが、やはり「原作はすごかった」というイメージが否めない。が、この作品は、円城塔がより存在感を放ち、がっぷりタッグを組んで、すごい1冊になっている。

2013年3月15日 (金)

「ギア・シネマ vol.1」

 ノンバーバルパフォーマンス『ギア-GEAR-』はver.2まで公演がおわり、5月からのver.3に向けて準備中だ。この間に、2010年12月に大阪で行われた第2回トライアウト公演の映像の上映会が行われた。場所は同じ「ART COMPLEX 1928」、私はメーリングリストで知ったのだが、あまり広報していなかったのか、1日限りのイベントなのに、100席のうち、やや空席があった。
 第2回トライアウト公演は、大阪Creative Center Osakaで行われた。劇場はここの「ART COMPLEX 1928」より大きめの舞台のようだ。基本のストーリーの流れはいっしょだが、随所に「あっ、ちがう」という振り付けや表現がある。ロボロイドは、今のようなロボット歩きではなく、人間のように歩いているし、ドールはそで無しのふわっとしたワンピースで小さなバイオリンを持っている。マイム・ブレイクダンス・マジック・バトンの見せ方もちょっとちがう。光と影も見せ方もちょっと地味め。ああ、いろいろ進化しているんだわ……と進化論の祖先をみるようだった。
 トライアウトの公演は5回あったが、第1回の映像イベントがなぜ第2回からなのかなあ、とは思ったが、それは映像のあとのトークでも話があった。実は、第1回のトライアウト公演は、もっと今のと似ても似つかぬディ−プなものだったらしいというのは、上映のあとのマイムのいいむろなおきさんとドールの兵頭佑香さんのトークで知った。舞台の上ではしゃべらない役者さんが、しゃべるしゃべる。それもとてもおもしろい。しゃべればこういうキャラだったのか。知らなかった舞台裏の話に、爆笑がなんどもおこる。まとめ役の赤(マイム)、やんちゃな黄(ブレイクダンス)、クールな青(マジック)、まじめな緑(バトン・ジャグリング)と白のドールという性格判断、たちあげのオーディションの時のエピソードなどいくらでも話がつづく。写真はTwitterやblog掲載OKとのことなので、1枚。
 次回の「ギア・シネマ vol.2」は、ぜひ第1回のトライアウト公演をみてみたいなあ。

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2013年3月 4日 (月)

小説『盤上の夜』

 『盤上の夜』 宮内悠介著 (早川書房)
 第33回(2012)日本SF大賞を、月村了衛の『機龍警察 自爆条項』とともに受賞した作品。表題作の『盤上の夜』ほか6編の連作短編で、囲碁、チェッカー、将棋、麻雀、チャトランガ(古代チェス)という卓上ゲームが題材になっている。語り手は名前を語らぬジャーリストで、それぞれの短編は独立しているけれど、ビミョ〜に話が絡んでいる。『機龍警察』のような勢いはなく、全体が落ち着いた語りだけど、今まで読んだことのない題材と発想で類をみないおもしろさだ。王道のSFっぽい科学的なメカニックはでてこなくて、「これがSF?」と思う人もいるかもしれないが、SFの懐は深く広いのだ。それに、デビュー作『盤上の夜』は2010年の第1回創元SF短編賞山田正紀賞を受賞している。本人もSFとして書かれたのだと思う。この本が初単行本だが、これからどんなSFを書かれるかとても楽しみだ。作者の宮内さんの経歴も、世界を放浪したとか、麻雀プロの資格をとったと書いてあって、なかなかたくさんのポケットを持っているようでおもしろそう。今回の日本SF大賞は新しいSFとの出会いをさせてくれて感謝!

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