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2010年11月 1日 (月)

書籍『トルコのもう一つの顔』『漂流するトルコ』

 『トルコのもう一つの顔』 小島剛一著 (中公新書)
 『漂流するトルコ』 小島剛一著 (旅行人)

 小島剛一さんの名前を知ったのは、雑誌「旅行人」だった。2010年上期号(No.161)に『漂流するトルコ』の1節が掲載されていて、下期号にも続きが載っていた。以下、単行本掲載ということで10月に出た新刊が同名の1冊である。その時、1991年に出版された“『トルコのもう一つの顔』の続編”というふれこみだったが、実は第1作は読んでなかったので、上期号を読んだあと、図書館で借りて読んだ。とても良かったので、新刊といっしょに本屋で購入してしまった。新書で発行20年経過して、絶版になっていないなんて、すごい!(と、私などは思うんだが)
 それだけ読ませる本だった。これは小島剛一さんしか書けない内容だろう。著者は1970年からトルコ共和国の少数民族の言語を研究している言語学者である。「日本は日本語を話す日本民族の国」と思っているように、「トルコ共和国はトルコ語を話すトルコ民族の国」だと思っている人が多いのではないだろうか。日本がちがうように、実はトルコもちがうのだ。政治情勢は刻々と変化するので、現在・未来はどうなっていくかわからないが、小島さんが1作目のフィールドワークを行っていた時点では、政府は「トルコ共和国はトルコ語を話すトルコ民族の国」であり、少数民族の存在を認めていなかった。その世情のなかでのフィールドワークは、読み進むとなかなかスリリングで(というような生やさしいものではないのだが)目が離せない。
 言語研究といっても、専門家の論文調ではなく、私らのような門外漢でもわかるように、会話も交えて、平たくとてもわかりやすく書いている。それが、そこらへんの小説よりもドラマティックでおもしろいのだ。そのくせ、言語の説明のところは、決して手を抜かず、事細かに例をあげたり、他言語と比較したりして説明してくれている。その内容を読んでいると、「この人はいったいいくつの言葉をしゃべれるのだろう」と思ってしまう。
 ラズ語、ザザ語、ヘムシン語、クルド語、ウブフ語……言葉ははてしない。
 余談だが、世界のあちこちの遺跡を観にいきたいけど、日本語しかまともに話せない私は、言葉の壁さえなければ、もっとフットワークが軽くなるのになあ……(サイフの中味は別にして)と、思ってしまう。

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