2017年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
無料ブログはココログ

« 2010年1月 | トップページ | 2010年3月 »

2010年2月

2010年2月25日 (木)

翻訳家・浅倉久志さんの訃報

 翻訳家の浅倉久志さんが2月14日にお亡くなりになった。享年79歳。
 最近、SF界は訃報が多いなあ。「SFマガジン」はしょっちゅう追悼特集を組んでるよ。
 SFを読みはじめたときは、翻訳者まで気が回らなかったが、今思えばあれもこれもと浅倉さんの翻訳をかなり読んでいる。というか、「SFの基本」といわれるような作品をたくさん訳しているのだ。某図書館の著者検索で調べてみたら、アンソロジーや再版も含まれるが約250冊あった。その中には、『重力の使命』『世界の中心で愛を叫んだけもの』『アンドロメダ病原体』『伝道の書に捧げる薔薇』『アンドロイドは電気羊の夢をみるか?』『スラン』『ヴァーミリオン・サンズ』『タイタンの妖女』………名作・基本図書が数知れず。それに、私にとっては、浅倉さんが『ノーストリリア』と『たったひとつに冴えたやりかた』を訳してくれなければ、コードウェイナー・スミスもジェイムズ・ティプトリー・ジュニアにも出逢わなかったんだわと思うと、いくら感謝しても感謝しきれないくらいである。
 とても読みやすい文章だし、浅倉さんの手によるのかどうかわからないが、日本語タイトルがとてもカッコイイのが多い。

 謹んでご冥福をお祈りします。

2010年2月22日 (月)

演劇「イキシマ」と、松本雄吉+やなぎみわのアフタートーク

 維新派の松本雄吉さんが初めて外部作品の演出をするというので、その演劇「イキシマ」を観にいった。これは、第1回精華小劇場製作作品であり、脚本が「マレビトの会」の松田正隆さん、役者さんはこの作品のために集めたようなので、すでにできあがった色のある既成の劇団というのはなく、これしかないという作品を創りあげていこうという試みのようだ。
 とある島、隣の部屋に瀕死の男が横たわっている。彼を「息」と呼ぶことにする。息=イキ=生き=(
もしかしたら壱岐?) そこに息の妻、物語のナレーションの男、2人の海女、島の男と島に帰ってきた男、船大工の男、2人の天使、密航してきた兄妹と多重構造のエピソードが重なる。静謐な、観ようによっては幾重にも深読みができる、パズルのような話だった。淡々と進んでいく。そして、舞台は色を抑えた不思議な空間だった。劇場に入ったときの第1印象は「垂直の交差がどこにもない舞台だ」と感じた。そのいろいろな角度でかさなるラインから、光が届く。役者が登場する。みんな年が同じようにみえるか、年齢不詳の生活臭のない人たち。
 他と比べられない作品で良かったけれど、昼間の仕事の疲れで、ついウトッとしてしまった。申し訳ない。
 このチケットは、1ヶ月を切って、コンビニから電子ぴあでとったのにかかわらず、やや端っこだけどいちばん前のA列! いいのか!? そんなに売れていないのか!?……と、思ったけれど、当日はまずまず満席で、追加公演決定の情報もあったので、大丈夫だったのかな。

 おまけに、この日は思わぬサプライズがついた! 演劇終了後、松本雄吉さんとやなぎみわさんのアフタートークがあったのだ!! ぜんぜん知らずにこの日のチケットにしたのだが、この二人の組み合わせは私にとってはとっても贅沢なセッティングだ。維新派の演劇にいっても、ナマの松本さんはカーテンコールには登場しなかったし、同じく作品集や新聞で拝見してもナマのやなぎみわさんをみるのははじめてだった。進行は雑誌「art it」の某さん。(すみません、名前忘れた) この雑誌はやなぎさんの特集を組んでいる号があり、展覧会に行ったとき買っていたので、「あ、その関係か」と納得した。主に舞台美術の話が多かったが、松本さんが思ったよりなんか気のいい関西のおじさんに見えた。やなぎさんが維新派をはじめてみた演目が私といっしょだったので、その偶然におどろいた。もっと寡黙な人かと勝手に思っていたが、ちょっと内容は難しい部分もあるがお話のお上手な人だった。

2010年2月20日 (土)

『小松左京マガジン』第36巻

恒例の『小松左京マガジン』第36巻が先月届いた。めでたく10年目突入とのことだ。正直、こんなに続くとは思わなかった。以前、堀晃さんの『ソリトン』は6号までだったし、なんとなくそんなかんじかなあと思っていたら、とうに通過して、ずっと年4回の刊行頻度を維持して続いている。発行人であるマネージャーの乙部さんの尽力もあるんだろうが、いや、めでたい。
 また、この巻は同人の桂米朝師匠の文化勲章受章のお祝い号だった。さらにめでたい。私は勲記というのを今回はじめて拝見した。
 1982年にテレビ東京で放映された「3人がいっぱい」のビデオテープからおこした会話が掲載されていた。左京さんと、ゲストにさいとうたかおさん、石森章太郎さん、松本零士さんと、その当時でこの顔ぶれはとても豪華だ。タイトル表紙にだいたいそのアタリの写真が提供されていたのだろうが、みなさん働き盛りでふくよかで若い。映画のネタが多かったが、マンガってひとり作成二次元映画という面があるし、作者は監督兼脚本家兼カメラマンだし、納得だねえ。
 また、この号では、昨年の「宝塚映画祭」での映画「さよならジュピター」上映のときにあった下村健寿さんの講演が再録されていた。ボケつつある私の記憶を復習させてくれた。あの会場に作家の機本伸司さんもいたんだということを、はじめて知った。まあ、作家って見た目フツーの人が多いから、わからない方が多いけど。
 小松先生、これからもお健やかに毒舌を!

2010年2月15日 (月)

児童書『デモナータ』全10幕完結

 『デモナータ』全10巻 Darren Shan著 (小学館)
かつて第1巻の感想を書いて以来、ブログにはUPしていなかったが、ずっと「イマイチおもしろくないぞ〜」と思いながら読みつづけていて、このほど全10巻で完結した。前作『ダレン・シャン』の方がやっぱりおもしろかった。
 この作品では、狼人間の血を引くグラブス、悪魔の次元であるデモナータとの窓(出入り口)を開けられるカーネル、現代に復活した5世紀の女魔術師の少女ベックと、主人公格のティーンエイジャーが3人交互に語り手になる。よく言えば視野が多角的になるが、悪く言えば散漫。そしてストーリーが血みどろで陰惨。私だって、『タイドランド』とか『鉄男』とか『ヴィデオドローム』とか『デリカテッセン』とか『アンダルシアの犬』とか(なぜか映画の例ばっかし)とってもお気に入りのグロいものも多いのだが、この血みどろの連闘にはちょっと辟易した。それに、主人公をはじめ、人間達がみんな「戦う」「殺す」ということに単純に肯定してだれも葛藤しない。これって、相手が「悪魔」だから? キリスト教世界のなかで、「悪魔」の立ち位置って、有無をいわさずこうなるのかなあ。無神論あるいは八百万(やおよろず)の神様がいる日本では(もちろん日本人にもキリスト教信者がいるが)ちょっとすんなりとなじめない気がする。日本では、悪魔より妖怪変化のほうがなじみ深いのだ。(そういう意味では悪魔よりバンパイアのほうがうけいれやすい?) 『デビルマン』という傑作もあるけど、これはまたテーマがちがう。
 毎回「デモナータ・ネット」という広報紙のような折り込みが挟まれているのだが、たくさんの10代の読者が「おもしろい」とファンレターを寄せているようだ。が、「そんなにおもしろいか?」と聞いてみたくなる。その中でおもしろさの要素は、どうもキャラ立ちしているようだ。キャラそれぞれにファンがついている。その意味では、著者はキャラクターを作るのがうまい。『ダレン・シャン』のクレプスリーは私も大好きだ。
 さて、前作の『ダレン・シャン』は2010年春休みに映画公開されるようだ。もし、『デモナータ』が続いて映画になったら、原作が児童書にかかわらず。私はPG−12かR−15の指定がつくんじゃないかと思っている。

2010年2月14日 (日)

自費出版『トキワ荘日記』

 『トキワ荘日記』水野英子著(自費出版)
 よくお伺いしている「漫棚通信」さんのブログで、この本が出ていることを知った。水野さん、最近はあまりみないけど、息が長いなあ。初期作品はあまり知らないけど、私は『ファイヤー!』の頃から読んでいる。あれは泣いたよ。そして、ばつぐんに絵がうまく、その頃の少女マンガで、あれほどワイルドにかっこいい男を描ける人はいなかった。朝日ソノラマの『10月のセラフィーヌ』なども何回も読んだ。そのあとちょっと大人っぽくイラスト的になっていく作品群も好きだった。
 この本は、著者が18歳の時、合作のために上京して約7ヶ月トキワ荘に住み込んだ時の想い出をマンガとエッセイで綴っている。昭和33年(1958年)のことだ。石森章太郎と赤塚不二夫と3人で「U.マイア」というペンネームで、「少女クラブ」にマンガを描いていたのだ。3人がまだそんなに超有名になっていない頃。その原稿が数ページ載っていて、ここはだれが描いたとか図示してあるのがおもしろい。
トキワ荘に居たマンガ家のメンツをみて、水野さんが紅一点と言われるが、実際は赤塚さんのお母さんがいっしょに住み込んで食事の面倒をいっさいみてくれていたり、石森さんのお姉さんが出入りしていたりと、それほど殺伐とした様子ではなかったようだ。一般人もいたようだが、マンガ家同士は、部屋のカギは開けっ放しで、他人同士が自由に出入りしていたようで、「ああ、いい時代だったんだなあ」と思ってしまう。(さすがに「寝るときはカギをかけておきなさい」と赤塚さんのお母さんにいわれたようだ)
 この本の内容は、本当は自身の自伝を書こうとしたが、このご時世でなかなか出版してくれるところが見つからず、トキワ荘の部分だけを抜き出して自費出版したとのことだ。申込みは、著者のHPで案内されている。作品集も絶版や品切れが多く、おまけに昔のマンガは原稿紛失のものも多いようだ。作品リストも完全なものはない。ぜひ、著者が元気なうちに集大成のようなものを出してほしい。

2010年2月11日 (木)

「聖地チベット —ポタラ宮と天空の至宝—」

 「聖地チベット —ポタラ宮と天空の至宝—」は、大阪歴史博物館にて、1月23日〜3月31日まで開催されている。
 青蔵鉄道が開通したと思ったら、騒乱が起き、状勢がどうなっているのかなかなか情報が入ってこないチベット。さらに高山病の心配もあるので、なかなか行けないところだ。
 そのチベットの仏像はとてもミステリアス。でも、どっかで観たなあと思ったら、昨年国立民族学博物館で観た企画展「チベット ポン教の神々」だった。(この展示では「ボン教」と記している) 三白眼のダルマパ座像、ドロドロしいけどちょっとお茶目なヤマーンタカ立像、コスプレとしてもインパクトがあるチャム装束、医学解剖図の四部医典タンカもとってもユニーク。やっぱり独特な文化なんだよなあ。中国政府がどういおうと。お互い認め合うわけにはいかないんだろうか。はやく平和がくることを祈りたい。

« 2010年1月 | トップページ | 2010年3月 »