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2010年1月19日 (火)

「男鹿和雄展」

 2007年の東京を皮切りに全国を巡回していた展示が、最後の9カ所目として関西に来た。2009年12月8日から2010年2月7日まで、兵庫県立美術館。男鹿和雄さんは、「トトロの森を描いた人」(これがキャッチフレーズになっている)といえば、みんなわかるだろう。しかし、ずっとジブリに居たわけではなくて、小林プロダクションに在籍し、他のTVや劇場版のアニメの背景も手がけていたし、ジブリ退社後は、フリーになって絵本や本の表紙や挿絵、お酒のレーベルなども描いている。
 1990年に東京国立近代美術館で手塚治虫展が開かれたときは、「マンガもこんな美術館で展示が出来るようになったんだ」と感慨深いものがあったが、今回も「アニメの背景美術もこんな美術館で展示が出来るようになったんだ」と同様に感じた。しかし、もしかして兵庫県立はいままで一番のアタリ企画だったのではないか? 行ったのが日曜日だったせいもあり、ものすごい人出だった。折りしも阪神淡路大震災から15年の1月17日(日)、たまたま子どもを野外活動の集合場所に送っていって、その足で美術館に向かったので、わりと早く10時半ごろに到着した。その時点で入り口の待ち時間は30分。正味15分ほどで入れたが、会場内もすごい人で、流れにそってトロトロと行ったら、見おわるまで2時間半ほどかかってしまった。併設の「3びきのくま」展をみて、スーベニールの会計にならんで、2時まえぐらいに入り口に戻ってきたら、待ち時間が80分になっていた。そのあと、昼食を食べて3時頃にみると、120分待ちになっていた。ああ、朝に来てよかった。ジブリやトトロにつられて、子ども連れも多かったが、小さい子にはちょっとこの状況はつらかっただろうなあ。それに、もともと、背景=風景画の展示が基本なので、そのなかで、人物の配置がわかるようにセルを重ねてあるのもあるが、そのたびに子どもに「ほら、トトロがいるよ」と声をかけている親(複数)がいたが、なんかちょっとちがうんじゃないかなあと思わないでもなかった。でも、客層としてはとても幅が広かった。家族連れはもとより、年配の人は、なつかしい風景にふれ、若い人のデートコースにもなっているようだし、オタクっぽい人はあまりいなかった。おそるべしジブリ効果!?
 アニメの背景画だから、かなりたくさんの点数がある。それも、実際撮影に使われた背景画だけでなく、ほとんど同じ構図の美術ボードや鉛筆画の美術設定なども展示されている。この量はすごい。目を近づけてみると、さっさっと描いている筆の跡がわかり、そんなにキチキチっと精密画のように描いているわけではないのに、絵の全体をみると、光も空気も水も草木も小物もとてもリアルに見える。天候による陰りや、一日の時刻による風景の移り変わり、季節も感じられる。おまけに筆も速いらしい。そうでないと、現場ではやっていけないのだろう。紙の背景画の上に、風景の一部をセル画に描き込んで重ねているのもある。背景も動かす必要があるアニメならではのものだ。この量でこのグレード。図録も買ったが、やっぱり原画はすごさ倍増。
 今は、アニメはCG花盛りだが、このような手描きの職人さんの味のあるアニメも創り続けてほしい。

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