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2009年12月

2009年12月25日 (金)

画集『石田徹也遺作集』

『石田徹也遺作集』 石田徹也著 (求龍堂)
 愛想もなにもないずばりなタイトルである。新刊ではなく2006年刊の画集であるが、本屋で見つけて、つい買ってしまった。同人の友人が、どこかに旅行したときどこかの美術館で見てきたと、同人誌で紹介していたので、「あ、これか」とすぐわかった。
 みればみるほど不思議な絵だ。めくる絵、めくる絵、すべて同じ顔の人物がでてくる。その人物は飛行機になったり、顕微鏡になったり、洗面台になったり、さながら『生物都市』のように無機物と融合している。それが、おそろしく精緻なスーパーリアルな筆致で描かれている。この人、とても絵がうまい! もう世界を創っちゃってる人だから、気に入るかどうかは見る側の好みの問題だね。
 2005年に31歳で亡くなっている。合掌。
 下調べにネットを検索したら、公式ホームページがあってびっくりした。印刷されたものだけでなく、関西でもナマものの展示会をしてくれたらうれしいなあ。

2009年12月21日 (月)

マンガ『魔法なんて信じない。でも君は信じる。』

 『魔法なんて信じない。でも君は信じる。』西島大介著(太田出版)
 2007年、著者のマンガ原稿が67ページが紛失!!! その顛末を、当人のマンガと大谷能生の論考でまとめられている。
 今でこそ、デジタル原稿でデータ入稿という手段もあるが、マンガ原稿はほとんど手描きの1点モノだ。コピーをとっていようが、原画の代替にはならない。最近では『金色のガッシュ』の作者が出版社に損害賠償を求めた事件は新聞にも載って記憶に新しいが、その1年前にこのような紛失事件があったなんて知らなかった。原稿紛失自体は今にはじまったことではなく、表にでないだけで面々とあったことなのだろうと思う。萩尾望都サマの『あそび玉』だって、原稿が見つからず、再録にあたっては雑誌原稿からおこしている。
 西島さんの場合、ちょっと状況は特殊だ。作品発表前であり、描き下ろし単行本用の原稿なのだ。単行本の発行前に、先に完成して出版社にわたしていた原稿の手直しで送り返してもらった際、その過程で原稿は忽然となくなった。西島さんのマンガをみると、出版社にとっても不可抗力であり、必死で探している様子が描かれているが、本当か? 担当さんがアルバイトに頼んだが、そのあとがわからない、伝票もないってどうよ? 西島さんがそこらへんは追求していないので何ともいえないし、基本的に西島さんは「いい人」なんだなあ。このような事件が起こった場合、マンガ家が個人で出版社という会社と対峙しなければならない。(まあ、弁護士をやとうという手もあるが、やっぱりカネがかかる) 出版社はいろいろな経験値もあるし海千山千の人材もいるだろうが、作家のほうはそういった交渉は素人でやはり立場が弱くなる。作家の方が明らかに分が悪い。西島さんも慣れないまま、がんばっている。
 交渉の顛末など興味深く読めたが、イマイチすっきりしない。結局「こうだった」という過程を説明することで終わっている。おまけに悪いけど、文章部分を書いている大谷能生さんはあまりマンガやマンガ出版界に詳しくないようで、ツッコミが足りない。論考が論考になっていない気がする。まあ、でも、このような本にするということでの問題提起もあるということで。

2009年12月20日 (日)

書籍『世界遺産イースター島完全ガイド』

『世界遺産イースター島完全ガイド』(ダイヤモンドビッグ社)
これは「地球の歩き方 GEM STONEシリーズ」の1冊。写真の多いガイドブックなのだが、イースター島に旅行の予定がないものでも見ていて楽しい。イースター島には900体ほどのモアイがいるというが、この本がいちばん多くのモアイを収録しているんじゃないか。
 モアイにはかつてすべてに名前がついていたというが、今はほとんど忘れ去られている。かわりにアフという台座にのっているので、「アフ・トンガリキ」「アフ・バイ・ウリ」「アフ・アキビ」「アフ・コテリク」「アフ・ナウ・ナウ」……といったかんじで一群れごとに名前がついている。それを事細かに、それぞれ顔を写して、詳細に解説しているのだ。ひとくちにモアイといっても、こんなにたくさん個性豊かにいるとは思わなかった。
 イースター島の正式島名はイスラ・デ・パスクア、島民はパラ・ヌイと呼んでいる。チリ共和国に属している。人口は4000人だが、集落はハンガ・ロア村一つしかないので、全員そこに住んでいるらしい。なんと、永住権を撮って住んでいる日本人夫婦がいる。ガイドもしており、この本にも大いに関わっているようだ。ああ、いいなあ。カネと時間があればじっくり行ってみたい。……やっぱり退職後か? 時間だけ考えれば。

2009年12月19日 (土)

書籍『MIWA YANAGI WINDSWEPT WOMAN –THE OLD GIRLS’TROUPE-』

 『MIWA YANAGI WINDSWEPT WOMAN –THE OLD GIRLS’TROUPE-』やなぎみわ著(青幻舎)
 長いタイトルだが、これが表紙・奥付に書いてある正式な書名なのだからしかたない。中は英語・日本語対訳。今年の第53回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館展示の図録らしい。黒が基調の装丁でカッコイイ!
 最近マイブーム(死語)のやなぎみわ。大阪の国立国際美術館の展示も行ったし、京都新聞のエッセイも切り抜いてある。ヴェネチアではどのようなかんじだったのか、この本をみればよくわかる。展示会場内をみると、ほとんど国際美術館のセットと同じのようだ。だが、まてよ、ヴェネチア・ビエンナーレの開催期間はこの本によると2009年の6月7日〜11月22日だった。片や、国立国際美術館の『婆々娘々(ポーポーニャンニャン)』は6月20日〜9月23日と完全にかぶさっている。同じものをふたつ創ったわけか?

2009年12月17日 (木)

マンガ『百姓貴族』 1巻

 本ネタもたまりにたまって、10月ぐらいから積み上がっているのだが、その中からチョイスしていくつか書いておこうと思う。

『百姓貴族』1巻 荒川 弘著(新書館)
 これは、どちらかというと最近買ったのだが、とてもおもしろかったので先に書いておく。
 あの『鋼の錬金術師』の荒川さんが、上京するまでの北海道での暮らしがネタになっているエッセイマンガだ。ご実家が酪農と畑作と両方やってるらしく、ウシやイモにまみれて生活していたらしい。それは、タイトルにあるような貴族のユ〜ガな生活とは縁遠いなかなかハードな毎日だ。でも、それはそれ、ハガレンの激しい戦闘シーンでもギャグを忘れない心意気は、その過酷な百姓生活も笑い飛ばしてしまう。(でも、眼が笑っていないときもある)
 農家の子どもはよく働くし、生き物を相手に暮らすことで自然と生死の対峙の仕方も学ぶし、心身ともに丈夫に育つんだなあ。人間、育った環境って、日本のなかでもこんなにちがうのかと笑いながら、タメになるネタが多かった。派遣切りの人を7人雇ったら全員3日でやめたとか、「牛乳捨てろ、牛減らせ」といった2年後に「バターがないからもっと搾れ」というおバカな国の生産調整とか、笑うに笑えないネタもあるが、どんな状況でもギャグを忘れない荒川さんのタフさがよくあらわれている本だった。

2009年12月16日 (水)

コミケ落選

 ブログ更新が遅れがちになっているので、これからの予定をすっかり忘れていた。
 今度の冬コミは、残念ながら落選になった。今となっては、唯一長期休暇(今年は7日)がとれる時期ではあるけど、だからといって、代替案はないので、年末年始は帰省以外の予定はない。温泉とかもいいなあと思いながら、家族で動くと何事も4倍かかるので、ここしばらく行っていない。日本旅館って高いんだもの。
 まあ、家に居ても、片付けは山ほどあるし、「原稿を描け」という思し召しなのかもしれないと思うことにする。

2009年12月15日 (火)

「メキシコ ウイチョル族の伝統アート」

 京都の岡崎にある観峰美術館は、書道家・原田観峰の小さい美術館だけれど、時々おもしろい展示をしてくれる。それも、巡回展とかではないので、ここでしか観られない。図録も自力で作っている。(そのかわり何年も売り続けているようだ)
 今回10月31日〜来年の2月7日まで、「毛糸で奏でる神話の世界 -メキシコ ウイチョル族の伝統アート」という展示を行っている。
 毛糸で描かれている神話的世界の絵なのだが、イメージ時にはアボリジニが描いたドリームタイムを彷彿させる。しかし、アボリジニ・アートのようなアースカラーではなく、くっきりはっきり色鮮やかなパステルのような色合いだ。平面構成だが、とても緻密! ひとつひとつの作品も大きいのが多くて、「すごい、これ何日かかったの?」と思ってしまいように、凝っている。
 時は11月の3連休で、紅葉の観光客であちこち人だらけの京都であるが、この中にはほんの数人しかおらず、ほとんど貸切状態。贅沢な時間だった。

2009年12月14日 (月)

「アイヌ文化フェスティバル2009」

 11月23日〜1月11日まで、京都文化博物館で『アイヌの美 〜カムイと創造する世界〜』の企画展示が開催されるが、そのプレイベント(というスタンスだろう)として、11月23日(月・祝)の午後に別館ホールで「アイヌ文化フェスティバル2009」が開催された。内容は、民博の先生の講演、口承伝承(カムイユカラ)、楽器演奏(トンコリとムックリの演奏)、公演(鵡川アイヌ伝承保存会の歌や踊り)という約3時間の大変盛りだくさんの内容のもので、おまけに来場者ムックリをプレゼント、なのに入場無料!
なんておいしい企画なんだ!! 幸い仕事の休日に当たっているので、これは行かねば!!!
 これは、まず京都新聞に広告が載っているのを見つけた。後日、カラーの新聞折り込みチラシがあった。ヘンに力が入っているぞ。こんなに宣伝して、人の入りはどうなんだろう? 予想がつかないので、1時間前の会場時間に入ってみた。自由席で、会場をみるとまだ半分も入っていない。う〜ん、そんなもんか。会場内の隅には、アイヌ文化の小冊子とか、アイヌの物語を題材に公募して入選した絵本が「自由におとりください」と置いてある。うれしい。とりあえず、席に荷物をおいて、会場横の小展示場(ここも無料)を観にいく。
 ここで、思いがけない人に会った。イベントでよく会うミリタリーなNさんだ。やはり、京都新聞の折り込みチラシをみたという。イベント以外の場所で会ったのは初めてじゃないか。となりに座ってオタク話もするが、Nさんは昔、二風谷にも行ったことあるというし、アイヌのこともいやに詳しい。やっぱり広く深い知識がないと、りっぱなオタクにはなれないのだと反省する。
 1時間前は半分以下だったが、開演時間になるといっぱいになり、三方に立ち見が出るほどになった。しかし、いやに客層の平均年齢が高い。もう、すっかり隠居して「毎日が日曜日」っぽい人たちがとても多い。もったいない、もっと若い人がたくさん来たらいいのに。
 北海道は遠いし、私は四半世紀も前に一度行ったきりだ。沖縄も一度行ったきりだが、やっぱりアイヌ民族・琉球民族は民族がちがう。北海道や沖縄県は国土である以上、日本は単一民族といのは誤りだ。無理にすべてを日本民族化するような多数決の暴力はいかんよな。「みんなちがって、みんないい」がいいね。すべての演目を十分タンノーしてきた。そして、おみやげのムックリは、予想したとおり会場で「実際に鳴らしてみましょう」タイムがあって、あとで「我こそは」と思う人がステージにあがって鳴らしていたが、なかなか難しい。
 1月11日まで開催されている特別展は、また日を改めて行ってみようと思う。

2009年12月 7日 (月)

演劇:維新派『ろじ式』&展示:『維新派という現象「ろじ式」』

 12月初めからこたつを出したら、夜メールやmixiを巡回して「ちょっと休憩」と思うと、もうダメ。沈没して復帰できない。またネタが月遅れになってしまった。

 というわけで、先月11月13日〜23日まで大阪の精華小劇場で行われていた劇団・維新派の公演『ろじ式』に行ってきた。昨年の『呼吸機械』は野外公演だったが、今回は室内だし、昨年・一昨年のシリーズ〈彼と旅をする20世紀三部作〉の続きではなく、その合間の小品という感じ。維新派の舞台の説明をするのは難しい。ストーリーもあるようでないようで、視覚の陶酔と言葉の舞踏の中で舞台が進行する。公演があるたびに1回は行きたくなる麻薬のような魅力があるが、今回は全体におとなしめで、日頃の疲れもあって、ちょっと途中でウトッとしてしまった。いつもDMをもらって、ネットのHPから席の予約をするのだが、今回は前から2番目のほぼ真ん中へんというベストポジションで、会場も小さいので、役者さんの息が聞こえてきそうな近さだったのに。ああ、ごめんなさい。
 舞台造りはいつもながらすばらしい。ところ狭しと積み重ねられ、動かされる骨の標本箱が今回の舞台空間が不思議な空間を創り出す。骨は大好き。絵になるし、飾らない美しさがある。カタログによると600箱創ったようだ。
 次回は来年の夏。〈彼と旅をする20世紀三部作〉の第3部で、瀬戸内海の島で野外劇場らしい。う〜ん、犬島かな? 以前の『カンカラ』はとてもよかった。日程を調整してぜひ行ってみたい。

 そのあと、日を変えて、大阪大学総合学術博物館で12月12日まで開催されている企画展示『維新派という現象「ろじ式」』に行ってきた。大阪大学総合学術博物館待兼山修学館自体、行ったことがなかったので、企画展も常設展もカフェやスーベニールも建物全体楽しんでいた。
 待兼山修学館自体は古い建物のようだが、内装は全面的に改装されたようで新しい。入り口にマチカネワニ(大学の建設現場から出土した日本ではじめて発見されたワニの化石)のレプリカと〈彼と旅をする20世紀三部作〉の身長4メートルの《彼》の人形が出迎えてくれる。(ここは写真をとってもいいとのことなので撮らせてもらった)
 企画展はその3階で行われている。規模はそんなに大きくはないが、私のしらない70〜80年代の「日本維新派」と名乗っていたころの写真や資料もあって、興味深かった。松本雄吉さんも若い。年代順にたどっていくが、チラシやポスター、新聞記事、衣装、ビデオの映像、舞台模型、舞台を建てた場所の今の様子の写真などいろいろな手段で魅せてくれる。それで無料なうえに、来館者が少なくてほとんど貸切状態で、ずいぶん得した気分だった。

 維新派のHPはこちら


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