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2009年3月26日 (木)

小説『新世界より』

『新世界より』(上・下) 貴志祐介著(講談社)
 今年度、アニメ『電脳コイル』と同時受賞で、日本SF大賞をとった作品だ。それに、漏れ聞くと、図書館がでてくるらしい。なら、読んでみなければ……と思ったけれど、この作者の作品を読んだことがないし、SF作家という認識がなかった(どっちかというと、ホラー系の人?)ので、とりあえず図書館で借りて読むことにした。日本SF大賞をとったからというわけでなく、もともとそれなりに人気があった作家なので、予約をいれてから順番がくるまでけっこうかかった。次も予約が続いているので、早く読んでチャッチャと回さなくっちゃ。やっぱり締め切りは機動力になるなあ。
 上・下巻とも500ページを超える大作だが、読み始めると調子よく読めた。おもしろいっちゃ、おもしろいけど、好みじゃないな、と思って優良可の「良」ぐらい。超能力ものってSFでは使い尽くされているので、斬新な大傑作になるのはとても難しい。これも、変奏曲ってあたりで、ちょっとバリエーションをきかせて凝った舞台を作ったという感じだ。なんとなく読みながら、子どもが管理されるのは竹宮惠子の『地球(テラ)へ……』やロイス・ローリーの『ザ・ギバー』を思い浮かべ、「家路」の曲がネタになるのは同じく文明が崩壊した世界を描いた田村由美の『7SEEDS』を連想させ、未来の世界の造形はいとうせいこうの『アドバード』と宮崎駿の『風の谷のナウシカ』をイメージした。
 それと、ストーリーの後味が悪いのは、やたら人死に(人以外も)が多く、その死に方がグロいせいか。それに、個個人は前向きで良心的でも、このストーリー上の人類という種の設定がネガティヴなのだ。
 しかし、国会図書館の自走式検索端末はなかなかユニークだった。破壊されそうになると、とたんに手続きを省略してしまうお茶目さは、「いかんだろう」と思いながら、「かわいい」とつぶやいてしまうぞ。

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コメント

作者はホラーの「黒い家」でブレイクした人ですね。
私は「学校の怪談」→超能力学校は「ハリポタ」を連想しました。
ストーリーや設定は過去の作品を思い出させますが、これだけの描写(特に後編)を文章で描いたのはスゴイと感心しました。最近のエンタテインメント小説が詰まらないだけに--。

さわやか革命さん、ご無沙汰です〜

ああ、たしかに前半はハリポタみたいですね。
私も後半のほうが調子よく読めました。
最近、あまり本を読んでいないので、いかんなあと思っています。

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