2017年10月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
無料ブログはココログ

« マンガ『妖精国(アルフヘイム)の騎士』第53巻 | トップページ | 人間がなんといおうと、星はそこにある »

2006年8月26日 (土)

小説『日本沈没』(カッパノベルズ版)

 『日本沈没』(上・下) 小松左京著 (光文社 カッパノベルズ)1973年刊
 映画『日本沈没』を観た後、「やっぱり、原作を読んでみよう」と思い立って、家にあった(ダンナが持っていた)1973年刊のカッパノベルズの『日本沈没』を読んだ。
 おもしろかった。昔、20年以上前に、『復活の日』を寸暇を惜しんで2、3日で読み切ったことを想い出す。雑事が増えて、昔ほど専念できなかったが。
 日本列島が沈んでいく緊迫感は、映画より小説のほうが遙かに勝る。沈む日本を主役にしたら、人間ひとりの英雄(ヒーロー)なんて存在しない。といっても、出てくる日本人はみんなとてもがんばっているのだ。ストーリーの中で名前さえでてこないような人も含め、あちこちでいろいろな人が。今の日本人はこんなにやれるだろうか? 人間自体が病み、種としての生命力が弱体化しつつあるような今の日本をみていると、登場人物たちの行動はある意味感動的である。こう考えると、パニックだけで、イマイチ生き抜こうという覇気が感じられない今回の映画は、今現在の日本と日本人を写しているのかもしれない。それと、この小説のような複数の視点と展開は、映像で表現するのは難しいだろうなあ。
 小説のストーリー自体は、まったく古さを感じず、スリリングに楽しめる。
 この本で、30年前の古さを感じたのは、登場人物たちの戦争体験と、放送禁止(自制?)用語だ。この小説で戦後30年ぐらいか、ちょうど働き盛り以上の人々は、地震で社会機構が崩れていく様や日本人が国土を失って難民になることを、戦時中の体験になぞらえて思いをはせている。また、あのみじめな時代を再び味わうのかと。そういう時代なのだ。
 それと、放送禁止(自制?)用語の類、「気×××学者」とか「気×××じみた」とかが(田所博士を指していることが多いのだが)あちこちに出てくるのだ。「び××」、「土×」(原住民を指す)とかもNGだ。それに、今は使われなくなった「女中」「裏日本」という言い方とかもフツウに出てくる。そこらへん、今の流通分はどうなっているんだろうと、今回の映画と同時期に発売された小学館文庫の『日本沈没』を図書館で予約した。
 カッパノベルズ版では、最後に確かに「第1部完」と書いてある。それならやっぱり『日本沈没 第2部』も読んでみようと、これも図書館で予約した。よければ後で購入することにしよう。ついでに、筒井康隆の『日本以外全部沈没』も読んでみることにした。まだまだ、『日本沈没』つながりの話題は続く。

« マンガ『妖精国(アルフヘイム)の騎士』第53巻 | トップページ | 人間がなんといおうと、星はそこにある »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

こちらに書き込みは初めてだと思います。
よそサイトではお世話になっています。

「日本沈没」、過去によんだよーな気がするのですが、
何せ年齢がいってなかったもんで、全部理解できていたかどうかは不明です。
今回の映画を観る際には、先入観がなくて(一応)楽しんだと思います。
映画で記憶に残っている内容は、他国のブレーンと話し合った結果、
「何もしないでいいのではないか」という意見が繋がりのない学者(だったかな?)から複数出た...というあたりでした。
すんごく納得したんですよ。
年配になればなるほど土地に執着するし、政治家たちは姑息に振舞う。
今はそれでも外国語を習う人が多いけど、自分も含めて「日本が住みやすい」と思い込んでいる。(←海外は行ったことがないでーす)
技術者や研究者は欲しがるかもしれないけど、一般人に価値を見出せない。…んじゃないかな。

とにかく恋愛話だけはうっとおしかった。
あれでつよちん(小野寺)が生還してたら、この映画のランクは下がるんだろうねー。
あー、でも役目を終えて死ぬのもカミカゼ的要素があるのか。
微妙だなぁ。

 いつもあちらではお世話になっています〜 
だまってうろついている私を許して〜
こまめなコメントありがとうございます。

「何もしないほうがいいのではないか」というのは、設定はちょっとちがうけど原作にもでてきます。
この地とともに生きてきたのだから、この地とともに沈むのがもっとも自然ではないか……という。原作では、「私は充分生きてきたのだから」と避難の集結地から自分から姿を消す老人も多くいた……というくだりもあります。
でもなんか読んだ感じ、今度の映画で目立つ政治家の姑息さ(首相代理に代表されるような)や民衆の愚かさがあまり前面に出てないんですよね。
だから日本人がみんなポジティブに見える。

しかし、やっぱり、一人の人間の英雄的行動だけで、自然の大変動が救われちゃいかんと思うのだが……

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/125914/11619681

この記事へのトラックバック一覧です: 小説『日本沈没』(カッパノベルズ版):

» 映画『日本沈没』 [おたくにチャイハナ]
 実は観たのが5月29日の試写会なのだが、7月15日封切りで「もうそろそろ書いて [続きを読む]

» 日本沈没 (昭和48年・1973) [Godzilla and Other Assorted Fantastic Monsters]
日本沈没小松左京 橋本忍 森谷司郎 東宝 2003-09-25 沈む帝国、焼け... [続きを読む]

« マンガ『妖精国(アルフヘイム)の騎士』第53巻 | トップページ | 人間がなんといおうと、星はそこにある »