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2006年4月28日 (金)

小説『図書館戦争』

 『図書館戦争』有川 浩(ありかわ ひろ)著 メディアワークス刊
 「正義の味方、図書館を駆ける! —公序良俗を乱し人権を侵害する表現を取り締まる法律として『メディア良化法』が成立・施行された現代。超法規的検閲に対抗するため、立てよ図書館! 狩られる本を、明日を守れ!」これは、帯に書かれてあったあおり文句。
 某図書館系メーリングリストで「おもしろい図書館ネタの本がでた」と話題になっていたので、私もおためしに図書館で予約してみた。でも、新刊なのでしばらくは来ないので、ついでに同著者のデビュー作『塩の街』をいっしょに予約して先に読んだ。これが、有川浩のデビュー作であり、第10回電撃ゲーム小説大賞の大賞受賞作だそうだ。『図書館戦争』はこの人の4作目。正直、『塩の街』は、まあ、おもしろいほうだし、悪くはないが特に惹くものがなかった。が、そのあと『図書館戦争』を読んだら、おもしろい! 数段うまくなっているじゃん! 「図書館の自由に関する宣言」・図書館法・日本図書館協会・日野……業界の史実や専門知識をうまく織り交ぜて、はったりをかましている。SFや歴史ものによく使われる手段だが、どこまでが本当のことでどこがフィクションか、いかに読者を惑わすかが小説のうまさを決める。近所の図書館に掲げてあった「図書館の自由に関する宣言」を見ただけで、よくこんな話をおもいついたなあ。それもずいぶんいろいろ調べている。図書館屋の目からみても、なかなかうならせる内容だ。
 まあ、誤解のないようにいっておくと、このストーリーは図書館の話ではなく、図書館防衛隊と国家権力・良化特務機関との戦いに単純化されていて、図書館利用者とのからみなどは(おそらくわざとストーリーをわかりやすくするために)省かれ、司書業務などもあっさりと書かれている。
 それに、それぞれのキャラクターの味付けが単調でなく、微妙な感情や性格の表現がうまい。往年の若木未生の文体を想い出す。
 ラストはなんとなく想像できたが、まあ、いいじゃん。
 というわけで、図書館の本を読んだ後、書店で買い直した1冊だった。

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» 『図書館戦争』 [図書館屋の雑記帳]
 2月10日に出た有川浩著『図書館戦争』。あるMLで紹介され、アマゾンで購入(昨日届きました)。さっき子どものスイミングの時間待ちの間に読了しました(う〜ん、「の」の多いセンテンスだ)。 私図書館屋は思わず落涙しそうになりました。 なにせ、目次が「図書館の自由に関する宣言」そのまんま。 復唱!1.図書館は資料収集の自由を有する。2.図書館は資料提供の自由を有する。3.図書館は利用者の秘密を守る。4.図書館はすべての不当な検閲に反対する。... [続きを読む]

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 4月28日付けブログで『図書館戦争』絶賛した有川 浩(ありかわ ひろ)の2作目 [続きを読む]

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