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2005年10月29日 (土)

あさのあつこ『NO.6(ナンバーシックス)』♯4

 『バッテリー』の6巻目をずいぶん待たされた私にとっては、わりと快調に刊行されていると感じるあさのあつこの『NO.6(ナンバーシックス)』(講談社)の第4巻が出た。
 近未来の管理された閉鎖的理想都市「NO.6」に暮らす少年紫苑は、都市の中で密かに進行する暗部にふれ、逃亡する。そして、ネズミという少年とともに、都市の外「西ブロック」で生きのこるためのサバイバルが始まる。
 1巻目を読んだ時、「あ、なんかロイス・ローリーの『ザ・ギバー —記憶を伝える者—』みたい。読後感は若木未生の『イズミ幻戦記』に似てるなあ」と感じた。まあ。ユートピア的理想都市がほんとうの幸福なものではなく、外の管理されていない世界に逃亡したり、対立したりするネタは、SFでは他にもよくある。読んだ感想が「○○みたい」と思ってしまう点を減点すると、私はあさのあつこなら『バッテリー』の方が作品としてはひいきする。
 でも、何作か読んでると、作者は、切なさと不器用な歪みを纏った孤高の少年(といったら、なんとなくわかる?)といったキャラが好きなんだろうなあ、と感じる。『NO.6』のネズミ、『福音の少年』の明帆、『バッテリー』のおミズ(原田巧よりも)のような。実は、私も好きだ。そういうキャラは、『NO.6』ぐらいのハードな舞台のほうが、浮かずに、思いっきりよく動かせるかなあと思った。『福音の少年』のような現在日本社会でやると舞台が甘すぎるし、『バッテリー』のように脇役に据えると主役を食っちまうし。
 まあ、そんなすききらいはおいといても、あさのあつこの人物描写は脇役に至るまで、とても緻密で、納得できて、奥が深くて、うまい! 『バッテリー』の前半なんて、とくに圧倒される。キャラクターの描写が作品を引っぱっていってるという気がする。この『NO.6』でも、登場人物は多く、それぞれ魅力的だ。ストーリーはまったくの途中で、これからどう進んでいくだろう?

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