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2017年2月28日 (火)

第37回日本SF大賞受賞! 白井弓子さん『WOMBS(ウームズ)』

 ちょっと時系列は前後するが、2月25日に発表された白井弓子さんの『WOMBS(ウームズ)』の日本SF大賞受賞をお祝いしたい。白井さん、本当におめでとうございます!!
 1巻目が発行された2010年から、ずっとこのブログに感想を書いて応援してきた作品だったが、完結してこんなに華々しい場に出るとは、想像していなかった。(すみません)でも、うれしい!
(ちなみに、1巻 2巻 3巻 4巻 5巻(完結)の感想はこちら)
 候補作に並んでいたのは知っていたけど、マンガでの受賞は大友克洋の『童夢』と萩尾望都の『バルバラ異界』だけだし、作者のネームバリューも雑誌もちょっとマイナーだし、難しいかなあ〜とか思っていたのだった。でも、SFテイストはバッチリで、SFごゝろをうずうずさせてくれる作品には間違いない。
 そして、SFファンダムの方からプロ作家になって受賞する人はいても、マンガ同人誌界からプロになったマンガ家がSF大賞を受賞するのは初めてだろう。これ、きっとCOMITIAのネタになるね! そして、これを機会にSF大会に参加してディーラーズルームにも出展してくれたらうれしいなあ。
 それに、もうひとつ本当によかった、と思うことがある。『WOMBS(ウームズ)』の掲載雑誌「IKKI(イッキ)」は連載途中で休刊になり、3巻目の途中の話から、単行本描き下ろしになったのだ。雑誌は休刊になると別の雑誌に移籍するのもあるが、そのまま途切れてしまう連載も多くある。その中で、単行本描き下ろしで完結させた。継続は力なり! 作者が同人誌で締め切りのない創作をこなしていた経験が活かされたのか。また、発行し続けてくれた編集・出版もすごい。ありがとう、IKKI!

2017年2月27日 (月)

「宇宙と芸術展」と8年ぶりの冬コミ

 さて、年末の続き。「沼津港深海水族館」に立ち寄った後、品川で投宿。荷物を置いて、森美術館で開催されている「宇宙と芸術展」に向かう。森美術館は、年末年始も無休で、22時まで開いている冬コミのおまけにできるありがたい施設だ。夕暮れてから行ったのに、やっぱり人が群がっていたが、以前のティム・バートンの時ほどではなかった。宇宙をテーマに古今東西の人類の行為を集めている。「竹取物語」や「種の起源」、天球儀、流星刀(隕石で作られたという)から現代芸術まで。……というちょっとユニークな切り口だけど、ちょっと散漫な気もする。どれかが誰かの琴線に触れればいいのかな。また、この展示はSNSにアップできる作品の案内があって、それがけっこう数が多かった。そうか、twitterなんかによく画像が出ていたのはそのせいか。

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 その翌日は冬コミ。冬コミは5回ほど落選が続いていて、その間にオモテ稼業の都合で1回、海外旅行で1回申し込みをしなかったので、数えて見れば8年ぶりだった。夏の暑さ対策は慣れたが、冬の寒さ対策は忘れかけている。配置を事前にちゃんと確認していなかったんだが、お誕生日席だった! おトイレも近いし、右側のシャッターが開かなきゃこのまま寒くないのだが……と思いながら準備をしていたが、始まって間もなくシャッターが開いてしまった。冷たい風がスゥ〜っと吹いてきて、コート、マフラー装備、カイロ準備! 午後になってシャッターは再び閉まったが、横の非常口からの風がもろに当たる位置なのでやっぱり寒いし、時折突風のような風が吹き込んできて、机の上のものが2回ほど飛ばされた。でも、思った以上の皆さんにお立ち寄りいただき、切り絵しおりもいくつか完売(といっても数枚ずつしか持ってきていないのだけど)、インフォメ・ペーパーも途中でなくった。切り絵しおりはやっぱりへんな絵柄から出ていく。創り足した3倍以上のものがなくなってしまったので、春・夏のために新作も含め、また準備をしておかなければ。配置は西ブロックだったのだけど、新しくできた東7・8ホールを見がてら、旅行サークルを訪ねたら、近辺の創作系をあまり回れなかった。まあ、創作系はコミティアでも会えるし……と思ってしまったし。とはいえ、8年ぶりの冬コミは夏よりも体力的には穏やかだったように思う。

2017年2月26日 (日)

「沼津港深海水族館」に行ってきた

 また、オモテ稼業の繁忙に押されて沈没してました。年末のネタがまだ残っているので、気分はまだ2016年……

 沼津に深海がテーマの水族館があるらしいというのは風の便りに知っていた。昨年のSF大会いせしまこん以降、次の大会は静岡だと聞いて、近くじゃん!と思って俄然行く気になって下調べをしていた。……う〜ん、静岡と品川の真ん中へんに沼津がある。それに、なんと年中無休で年末年始も開いている! これなら、冬コミに行く時に途中下車して行ってみようと決行した。
 新幹線で三島まで行って、そのあと在来線に乗り換えて沼津着。こだまは駅に着くたびに5分くらい停車するので、東京へ行くのと同じくらい時間がかかった。沼津駅からバスに乗って、沼津港のあたりに行くとそこだけ賑わっていた。どちらかというと地元の家族づれとか帰省客とかが車で来ているという感じ。「沼津港深海水族館」もそんなに大きくない施設なのに、入り口で並んでいた。昼前で少し早かったけど、先に昼食を食べることにする。水族館のある一画は「港八十三番地」という観光エリアになっていて、海鮮が主な店が集まっている。その中の「DONどこ丼」という店で、「深海魚せいろ蒸し」をいただく。こういう時、人数が多ければいろいろ頼んでシェアできるんだけど、一人じゃ残念ながら1品なんだよなあ。赤いのがカサゴ、いちばん小さいのはメヒカリ、それよりちょっと大きいのがメギス、大きい白いのはちょっと自信がないけどデンかな。あっさりと淡白。

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 そのうち昼時で店の中はどんどん人が増えてきたので、水族館に向かう。入り口の行列はなくなっていたけれど、中は混んでいた。なんで、沼津で深海生物なのかというと沼津港のある駿河湾は日本で一番深い湾であり、水深2500メートルほどあるらしい。いわゆる深海というのは200メートル以上をさすので、沼津港には日常的に深海魚が水揚げされる。(禁漁期もあるのだが) そんな駿河湾の解説コーナーもあるけれど、水族館は「シーラカンス・ミュージアム」とサブタイトルがついているので察せられるように、シーラカンスが売りである。いや、生きているのは映像だけだけど、剥製が3体、冷凍が2体あって、日本の水族館ではここだけにしかないとのことだ。最近ちょっと有名になったダイオウグソクムシや、深海というより古代のキーワードで他の水族館にも展示されているオウムガイもいる。生きた深海生物もいろいろいたが、メンダコやリュウグウノツカイなど名前が売れていても映像や剥製やレプリカのものも多い。やはり水圧や光の関係か、飼育が難しいのも多いのだろう。でも、こんなテーマを絞った他に類を見ない水族館は面白い。
 そして、最後のお約束のスーベニールも楽しいものが多かった。いろいろ目移りしたが、ガイドブックとリュウグウノツカイのどでかクッション(ロングマフラーにも使える)とシーラカンスの茶こしを買ってきた。


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2017年1月16日 (月)

「見世物大博覧会」と関西文化の日

 国立民族学博物館の「見世物大博覧会」に行かなくちゃ!と思いながらもなかなか行けず、会期の9月8日〜11月29日の終わりも迫ってきた。そのうち、もう11月19日しか行ける日がないとなってしまったが、その日は「関西文化の日」だった。あちこちの美術館・博物館で入場料が無料になるので、人出が多いだろうなあと思って、今までは有料でも行きたい演目には行くのを避けていたのだが仕方ない。戦々恐々として行ってみたのだが、特別展自体はあまり普段と変わらなかった。しかし、「関西文化の日」に関連してイベントが繰り広げられていたので、その関係者やボランティアや知り合いがたくさんきていた様子で、総じて民博自体はやや多め?という感じだった。
 関連イベントというのは、まず、普段あまり使っていない特別展の地下のフロアーで「北大阪ミュージアムメッセ」というのが開催されていた。北大阪のいろいろな施設がブースを設置してPRをしていたので、ついいろいろパンフレットとかもらってしまった。「JT生命誌研究館」の機関誌は立体的に折れたりしてとても凝っていた。「吹田市立博物館」は小松左京展のとき一度行っただけだったなあ。他にも「ニフレル」や「五月山動物園」など。民博のボランティアさん行なっている「きり絵で楽しもう! 中央北アジアの文様」という30分のワークショップがあったので参加させてもらった。用意してくれた文様から2種選んで、色紙を切って、それをカレンダーにしてくれるのだ。それ以外にも、本館のロビーで淀川三十石船の船頭唄やガムランの演奏と舞踊があり、ほとんど無料だったので、けっこうお得感があった。

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 さて、「見世物大博覧会」。田舎で育った私は、昔でも人間ポンプやへび女やクマ娘やカニ男が並ぶ見世物小屋を実際には見たことがない。でも、そんな胡散臭い名前やケバい看板をなぜか知っている。きっとそれは漫画や雑誌や映像で知っていたのだろう。そんな見世物小屋などの歴史や民衆文化の一部として、民博が展示に取り上げたの、もしかして今回の展示が初めて? ここで、以前千葉の歴博の「大ニセモノ展」にいた人魚(といわれるもの)に再会! 民博、歴博の資料が多いけど、いろいろな所蔵館から取り寄せているのが、図録を見るとわかる。凝った企画で、構成や見せ方も工夫しているし、ここはキュレーターの腕の見せどころ?(民博は大学なので、教授の研究成果?)

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2017年1月15日 (日)

矢萩多聞さんと「となりのインドさん」

もう少し、昨年の残っているネタを。
 去る9月17日に、京都の恵文社一乗寺店で、インド好きにはたまらない「となりのインドさん」というイベントがあった。初めは出勤日だったので諦めていたのだが、シフト交替を頼まれたので喜んで交替した。けっこうギリギリの3日前だったが、申し込んだらまだ空きがあった。
 内容は、昼の部と夜の部に分かれていて、昼の部では、装丁家の矢萩多聞さんが1日カフェをオープンして、手ずから南インドの定食(ミールス)をふるまってくれる。矢萩多聞さんは10代からインドで暮らした半分インドな人で、今回のランチも南インドの西海岸に住むコンカニー族の人にならったものなんだそうだ。装丁家だけど、イラストも描くので、絵入りのカンタンな説明もつけてくれていた。素朴で味わい深い美味しいミールスとラッシーをいただいた。

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 夜の部は、矢萩多聞さんとKAILAS(カイラス)の2人組との楽しいお話。KAILASは、松岡宏大(こうだい)さんと野瀬奈津子さんの編集&ライター&フォトグラファー2人組。最近『持ち帰りたいインド』という本を出版したので、その関係のスライドを中心に、後半は参加者の質問にも応えて、とても話題に富んだ2時間だった。矢萩多聞さんは以前同じ恵文社でタラブックスのお話を聞いたことがあるので、く喋る人と思っていたが、松岡宏大さんもそれに輪をかけたようによく喋る楽しい人だった。見た目より年をくっているようで、その年月で世界を旅して集めたアンティークやグッズで「一人民博ができる」と自分で言っていたから、いったいどんな家なのよ!? ガイドブックのarucoシリーズの『インド』(ダイヤモンド・ビッグ社)の編集にも関わっていたらしい。それ、持ってるよ! 確かに、家に帰って、奥付を見てみたら、小さくKAILAS、松岡宏大、野瀬奈津子の名前があった。確かに今回の新刊と同じニオイがするなあ。この本で紹介されているグッズはほとんど私物とか。
 矢萩多聞さんと松岡宏大さんは、多聞さんが10代に親に連れられインドへ行ってた頃から知っていたというから、繋がりは長い。宏大さんはマンガ家の流水りんこさんのtwitterにも名前が出てきて、りんこさんの漫画には、以前本を紹介したマサラワーラーの二人が登場してきたり、アルカカットさんのブログに多聞さんの本の評が書かれていて、直接の知り合いのようだし、インド界隈はけっこう世間が狭い気がする。

 今回の関連書籍
『持ち帰りたいインド』 KAILAS著(誠文堂新光社)
 今回はここに掲載されているもののウラ話とかも聞けた。よくあるかわいいだけの品物紹介ではなく、選んできた人の奥の深さが見える1冊。「この中でいちばん持ち帰りたいものは何ですか?」という質問が宏大さんからあったけど、私は赤いステッチの会計帳簿がいいなあ。お二人にサインをいただいた。

『偶然の装丁家』 矢萩多聞著 (晶文社)
『たもんのインドだもん』 矢萩多聞著 (ミシマ社)
 どっちにしようかと2冊持って行って(ミシマ社の本は、当日恵文社で買った)、多聞さんの半生が詳しく書かれている分厚い方の『偶然の装丁家』の方にサインをいただいた。ていねいなサインでテルグ語つき! 不登校、南インドに住む、装丁を始めたきっかけ、東日本大震災、京都への引っ越し等々、人生、どういう生き方をするかわからないなあ〜と思ってしまった。

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2017年1月 3日 (火)

明けましておめでとうございますblog版

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 先にtwitterでは元旦のご挨拶しましたが、改めて、明けましておめでとうございます。
 本年もぼちぼちよろしくお願いします。

 2日に帰省先から帰ってきたのですが、やはり人が多いといろいろあって、あまりパソコンにさわることができませんでした。読みたい本とか整理したいデータとか描きたいものとかいつも持って帰るのですが、ほとんどできたためしがありません。懲りない年末年始です。
 今年のお年賀カットは、ナスカ地上絵の「海鳥」になりました。3番目くらいに有名な地上絵です。(1番目はハチドリ、2番目はサルかな?と思っている) 年賀の酉はニワトリが断然多いので、斜めに考えて、鳳凰にしようか、ガルーダにしようかとかいろいろ考えましたが、結局これに決めました。なかなか気に入って、切り絵しおりも作ってしまいました。

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 Blogアップが遅くなってしまったのは、自宅に戻ってからの雑用もあったのですが、12月10日の記事でお知らせした、「工房しのわずりぃ」のインターネット広報の改編の一部を行なっていたからです。
気づいた方もおられるかと思いますが、2005年から「おたくにチャイハナ」というタイトルで書いていたこのココログのblogですが、2017年1月より「工房しのわずりぃ blog版」と名称変更しました。見た目変わりませんが、タイトルだけでなく、プロフィールとかもちょっといじりました。Blog開始より12年たった現在、長文で写真多数掲載できる機能はフェイスブックが主流になりつつあり、blogのトラックバックとかの機能は全く使わなくなり、時代の変遷を感じるところですが、今までの記事の蓄積をそのまま埋もれさせてしまうのは勿体無いのと、広報の意味ではこっちの方がネットの中ではオープンなので、このままblogで続けることにします。記事をUPしたら、twitterやFBでもリンクしてお知らせします。まだホームページとかはそのままですが、おいおい整備していきます。

 ネット整備の方はこのような予定ですが、即売会参加の予定は5月までありません。年度末に向けてオモテ稼業が繁忙になってくることもありますが、作品の描きために専念したいと思います。昨年のうちに2タイトルの同人誌の在庫がなくなりました。以前の新刊はもう6年前です。いかんだろう、それは……、と思いつつ、数年経過。今年こそ何度目かのオオカミおばさんにならないように1冊創りたいと思っています。ネタはあるし、取材もしてきましたが、まだ紆余曲折するかもしれないのでナイショです。8年ぶりの冬コミでは、おかげさまで切り絵しおりが好評で新しく創り足した3倍以上の数量をお求めいただきました。これも、カンブリア生物や深海生物のヘンなモチーフが品薄になっているので、新作を含めて夏のSF大会に向けて準備をしたいです。

 と、いうような、今年の抱負でした。今後ともよろしくお願いします。

2016年12月23日 (金)

映画『不思議惑星キン・ザ・ザ』

『不思議惑星キン・ザ・ザ』Кин-дза-дза! (1986)ソ連 135分
 これ、タイトルに惚れて行く歳月…… なんとなくいつ頃から知っていたのかは覚えていないが、「ソビエトSF映画祭」(東京で1989年というのがネットで引っかかるのだが、関西は不明、まあ同じ頃?)というのがあった時、観る機会はあったようだが、見損ねた。映画パンフに載っているのだが、その6作品の中、『エバンス博士の沈黙』と『テイル・オブ・ワンダー』の2作品を観た。ソビエトSFといえば『ソラリス』とまず思い浮かべていたが、これを観ていたら変わっていたかも。
 今回、みなみ会館でデジタル・リマスター版の公開があって、観ることができた。いや〜、傑作だ!すごいぞ、「ソ連製超脱力SFムービー」!! ストーリーは不条理で変なのだけど、破綻してるわけではないし、砂漠に変な廃墟系モニュメントがあるキン・ザ・ザ(正確にはキン・ザ・ザ星雲の惑星ブリュク)の造形も決して古さを感じさせず、むしろ寂れた感じが似合っている。あの間の抜けた音楽と、「クー」という挨拶が耳について離れない。

2016年12月15日 (木)

映画『PK』

 『PK』原題もPK (2014) ヒンディー 153分
 監督ラージクマール・ヒラニ、主演アーミル・カーンの『きっと、うまくいく』のタッグによる最新作! 「インド歴代興行収入No.1を樹立」とチラシに書いてあったが、本当に!? この宗教についてけっこう挑発的と言うか、アイロニーに富んでると言うか…… インド人はこんなに宗教に疑問や批判を突きつけても寛容だったのか? どの宗教を信じる人もも「これは信仰に対する侮辱だ!」とは言わなかったのか? それとも、映画の方が宗教より強力なのか? 宗教と国の二重のタブーがあったパキスタンもヒロインの恋人の故郷になってるし。なんかインド人の宗教観のイメージも変わったなあ。この部分がいちばん驚いた。ヒラニ監督、このテーマで成功する映画を作るなんてすごいぞ!!!
 そして、主人公のアーミル・カーン、何も特殊メイクとかしていないのに、その仕草やしゃべり方、目の見張り方、耳のひろげ方、走り方が十分エキセントリックで宇宙人している。さすがだ、すごいなあ〜、ミスター・パーフェクト。ヒロインのアヌシュカ・シャルマは、以前『命ある限り』で見た時は若い元気な女の子って感じだったが、ショートカットが似合う魅力的な女優になった。
 実は、この映画は大阪の試写会が当たった。が、その時はパンフレットがなかったので、京都で公開された時、もう一度観て、パンフレットも手に入れたのだった。

2016年12月14日 (水)

インディアン・フィルム・フェスティバル・ジャパン2016

 今年で第5回になるIFFJは、大阪では10月8日(土)〜10月21日(金)に、今までのシネ・ヌーヴォではなく、シネ・リーブル梅田で開催された。今年は瀬戸芸と維新派を優先にしているので、なかなか日程が厳しい。3回前売り券がせいぜいか。仕事帰りだと、寝てしまいそうな気がする。それより、シネ・リーブルは、コンピュータによる座席指定なので、席がなかったらアウトだ。ギリギリになってしまい、満席なら後ろにパイプ椅子を置いて増設といった融通がきかない。それに梅田の駅から結構歩く。仕事帰りに駆け込んで、あそこまで行って、「満席です」というのは辛いなあ…… と、いろいろ考えて、『プレーム兄貴、お城へ行く』『キ&カ〜彼女と彼〜』『エアリフト〜緊急空輸〜』『私が恋した泥棒』(観た順)の4本を、休日に2本ずつ2日に分けて大阪に通って観た。今回はハズレなく、それぞれの味で面白かった。願わくは、シャー・ルク・カーンの『ファン』も観たかったのだが、どうしても日程が合わなかった。うぐぐ…、残念。
 あと、今年はフェスのパンフレットがなかったのだ。昨年は雑誌「ナマステ・ボリウッド」の最新号がパンフになっていた。どうしたことだろう? 復習するには便利なんだけどなあ。

『プレーム兄貴、お城へ行く』Prem Ratan Dhan Payo  (2015) 164分
 サルマーン・カーンが、庶民の旅芸人と藩王国の王の一人二役をこなし、王女(ソーナム・カプール)と恋に落ちる。家臣の忠誠や兄弟との家族愛なども絡めて、いやに王道なストーリーだなあ、と思ったら昔の映画のリメイクらしい。この回は、劇場到着が10分前になってしまったら、残席2席だった。う〜ん、きわどい。サルマーン人気、すごい! いや、ホント、筋肉質でとても50代には見えないぞ。

『キ&カ〜彼女と彼〜』Ki & Ka (2016) 126分
 仕事バリバリの女性キア(カリーナー・カプール)と主夫志望の男性カビール(アルジュン・カプール)が結婚した。というと、男女役割逆転のコメディかと思うかもしれないが、けっこう奥が深い。夫が主夫であることを職場にはっきり伝えられないキア、カミングアウトしてカビールが「カリスマ主夫」となったことからの軋轢、自分でアレンジした家にこだわるかビール、そこにキアが妊娠か?! キアの母親をめぐる二人の思いのすれ違い……と、次から次へといろいろな危機が訪れる。男女均等、夫婦平等の言葉だけで簡単にハッピーエンドにならないよなあと、考えさせてくれるいい映画だった。

『エアリフト〜緊急空輸〜』Airlift (2016) 126分
 1990年の湾岸戦争の時、イラク軍のクウェート侵攻により逃げ場を失った17万人のインド人脱出の実話をもとに作成された作品。主人公の実業家ランジート(アクシャイ・クマール)は、脱出に貢献した実在の二人を合わせたキャラクターらしい。その妻には、『めぐり逢わせのお弁当』のニムラト・カウル。華々しい美しい映像や激しい戦闘シーンはなく地味ではあるが、次から次に来る危機にどう立ち向かうか、スリリングな展開で目が離せない。こういう場合、国や政府が交渉をし、ヒーローのような人物が救出に来る……わけではない。国の動きは鈍い。ヒーローも現れない。現場の非戦闘員があの手この手を考えてなんとか脱出しようと埃まみれになって考えるわけだ。この名も無い執念が最後の17万人の空輸に繋がる。

『私が恋した泥棒』Monchira (2016) 135分
 今回公開された中で、これだけがベンガル語映画だ。監督はサタジット・レイの息子のサンディーブ・レイ。と言っても作風は違う。もっと明るい。泥棒に入った男を秘書として雇ったり、ちょっとおバカな兄貴の行動もフツーやらないだろ!と突っ込みたくなることもある。コメディーのようで、ちょっと寓話的な不思議な味のする作品だった。

2016年12月13日 (火)

「そうさく畑FINAL」

 追悼ネタばかりが続く気分だが、11月6日(日)に創作同人誌即売会「そうさく畑FINAL」が神戸国際展示場3号館で開催された。2015年10月23日に永遠の実行委員長の武田圭史さんが亡くなって後、有志が集まって実行委員会を立ち上げ、開催に至った。
 参加してみれば、異様に平均年齢の高い即売会だった(^_^;) 懐かしい人にたくさん会った。スペースに居たら、いろいろな人が訪ねて来てくれた。ひとり参加だったせいもあり、なかなかスペースを空けられず、始まったらTwitterもしていられないほど忙しかった。こちらからご挨拶に行ったり、会場をゆっくり回ったりできなかったのがちょっと心残りだったが、まあ、仕方ない。BGMはほとんど一緒に歌えるような懐かしいアニソンや特撮ソングばかりで、パンフレットにある一コマコメントもみなさん年季が入っている。回覧板も後日Twitter にも紹介されていたが、いつも以上にみなさんリキが入っている。恒例のおやつタイムもあったが、「そうさく畑せんべいをもらえるのもこれで最後かあ……と思うとしみじみしてしまう。昔のまだ小規模だったそうさく畑では、サークルさんのお菓子の回覧が町内を回ってきて、ありがたくいただいていたので、私も今日は回覧用のお菓子籠を持って来て回してみた。
 途中で武田さんのお母様の丁寧なご挨拶もあった。特別企画として、コミティアの中村公彦さん、コミケの筆谷芳行さん、今回の共同代表である本多一朝さん、いつもパンフにカワイイ諸注意漫画を描いているあすかさんと、司会は赤ブーブーの赤桐弦さんというメンツで「そうさく畑FINAL 特別トークライブ」があり、みんなでしゃべりまくり、閉会時刻の3時になっても終わらなかった。とても想い出深いイベントとなった。
 また、「武田圭史とゆかいな仲間たち(そうさく畑実行委員会有志編集部)」の編集の『私の中の武田圭史』には、武田さんと付き合いが深かったみなさんの想いが込められている。

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